数日前のこと。自力整体の教室が帰ったら、連れ合いが、ちょっといまひとつの声でいった。
「どうやら、わしら同級生だったらしいわ」。
例の体組成計の体内年齢で、彼女も25歳だったのだ。
こんな偶然ってあるんやね。これは夫婦そろって大したものなのだ。
しかし、彼女の声がいまひとつなのは、ぼくと同じだったからだ。彼女なりに、自信があったのだろう。
「引き分けということは、ぼくの優勢勝ちということやなー」
追い打ちで、ぼくがいった。実年齢では、7歳以上の差があるのだから、普通なら、彼女の方が、1、2歳若くならないと、負けも同然。同年齢なら、ぼくの判定勝ちになるからだ。
「悔しいなー。珍しく、前日に、ブタ肉(冷シャブのサラダ、肉の夕食は、1月に1、2度)を食べたからなー」と、言い訳をしつつ、「細かな数字を比べて勝負しょう」と言ってきたが、ここは男女の違いがあって、一概にはいえない。みな若干ではあるが、内蔵脂肪は、彼女の方が少ないが、筋肉量や基礎代謝は、ぼくが上回っているからだ。
そして、「よしー。今度は、絶対に24歳をめざすわー」と、かなり強気な宣言。彼女の闘志に火がついたようだ。
それから1週間。今日は、レッスン日で、珍しく同じ教室に、別々に向かった。
レッスンが終わって、皆さんが計測する。別に、誰もが、「25歳」になるわけでなく、その人なりの、それなりの数字が出ているようだ。たとえば、40歳の女性なら、「36歳」でもやはりうれしい模様だし、先生が、「毎週計って変化をみますよ」の声、「エー、そんなんー、毎週ですか」と、凹んでいる人もあった。
さて、彼女が先に計測器に乗った。
「ああ、ゆうこさん、内蔵脂肪も、体脂肪も減ってるわー」との先生の声。
そして、体内年齢へ。
「ああ、すごい、すごい。24歳やって」
「エー!、アハハハハ」と、彼女の弾んだ甲高い笑い声が、教室中に響く。
クソー、なんてこった。宣言どおりに若返っていやがる
ヤバイ! この1週間、何もしていないし、昨晩の夕飯は、9時30分と遅かった。こんなことなら、もう一度、トイレにいければよかったなーなどと思いつつ、誇らしげなゆうこが見つめるなか、測定器に乗る。このあとは嫌だなーと、ちょっと不安げに、測定してもらう。
「ああ、かりもんさんも、減ってるわー。内蔵も、体脂肪も、それでいて筋力量が増えてるよ」との、先生の声。
ええ、ほんと? これは期待が出来そう!
最後は、いよいよ体内年齢だ。
「ああ、すごいわー。23歳やって」
「エー、ウソ、ちょっとー。エエー、それなんかおかしいんと違う」と、ゆうこの声。
すぐに数値を詳しく覗き込んでいる。「なにー、あんたいやらしいなー。なに、密かにやっていたの…」
アハハハハ、残念でしたネ。
前回は、判定勝ちだが、今回は、ぼくの完全勝利。正義は必ず勝つ!のだ。
別にお昼を食べて帰宅したら、ぼくの顔を見るなり、また始まった。
「朝に、紅茶飲んだからな」、「今日は、レッスンの間、ほとんど寝てたからなー。やっぱりしっかりやらんとなー」、「それより、あの機械、やっぱりおかしいん違う?」とか、次々と、敗者は、言い訳や文句を並べるのであった。
負けん気の強い彼女のことだ。よほど悔しかったのだろう。
アハハハ、「あなたとは、身体の柔軟性が遥かに違うものなー。きっと、ぼくは、触光柔軟の願の影響で、お浄土のみ光を蒙って、身体が柔らかなくなっているのと違うのかなー」と、常から思ったいたのだ。
「まあ、自動車ばかり乗ってないで、自転車や歩きにして、少し筋肉を付けたらどう?」と、アドバイスしたら、マジで悔しいそうだった。
マイナス2歳になったことより、彼女を破ったことがうれしいのである。
これは、まさに裕越感やなー。
当然、明日の法話のネタにもなります。