「必要・十分条件」省略されている重要なこと(3)
以上踏まえて、諸富祥彦氏は次ように指摘している。
(『カール・ロジャーズ入門』~自分が自分になるということ~P211引用)
「重要なのはただ一点、クライエントが「この人の前では安心できるし、よい子を演じなくても受け入れてもらえる。ありのままの私を認めてもらえる。私の感じていることを一緒に感じてもらえるし、しかも単に仕事上の義務からではなく本心からそうしているようだ」と感じるような「関係の質」を提供することだと考えています。それに比べれば、知識や学位や資格などは、一切本質的な重要性をもたないというのです。しかもそれは、どんな問題を持ついかなるクライエントにも通じる真理であり、学派の相違を越えてあらゆるカウンセリングに通じる真理だというのです。
この大胆な主張こそ、ロジャーズの「態度条件説」の真骨頂があります。」
同 諸富祥彦氏の指摘(上同~P307引用)
「カウンセラーの態度こそ唯一本質的な重要性を持つものであり、それ以外の何ものも不可欠のものではない」と言い切ったところに、したがってそれはクライエント中心療法のみならず、あらゆる学派のセラピストに要求される特質であると断言しているところに、この論文の骨太な魅力を感じています。」
以上の記述を読むと、浄土真宗の聞法や関わりにも、どこか通じるものを感じることを分かち合った。
西光義敞先生も、以上を適切にまとめておられるのて、ぜひ、以下をご熟読下さい。
『育ち合う人間関係』(62~66頁)「必要・十分条件の意味」
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