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コロナ禍の三回忌法要

 京都支部の中心的メンバーであったMさんの三回忌法要を営む。

 法要や法事も、新型コロナに翻弄された二年間だった。今回も、葬儀ホールで、故人の姉妹、親族や友人も招いて、会食も開く計画で進んでいた。ところがオミニクロン株の広がりで、いろいろな声が出てきて変更が続いた。まず会食がなくなり、そのうち不参加が増えてホールは取り止め。一時は、延期や中止の声も出るは、当日も欠席は出るわで、喪主さんも右往左往してたいへんだったと、愚痴っておられた。
 
 それでも尊い仏事には変わりはない。むしろ、年2回、家庭法座を開かせていただいたいるご自宅のお部屋で、一番因縁深い、ご主人とお子様2名が座ってくださったことかよかった。

 勤行が終わり、法話が始まると、今にもMさんが台所から現われて、うれしそうに頷きながら聴聞され、また涙され、そしてお念仏されていた姿がそこににあった。とにかく仏法が好きで、法を語り合うの好きで、賑やかなのが好きな人であった。時には、感情的にすねって愚痴一杯になられたり、本気で怒ったりもされた。一度、そうなるとなかなか収まらず、毒も吐き続け、辛辣な言葉や感情的な態度で同人間でのトラベルも多かった。それも含めて、すべて凡夫の生地のままを出し、仏法をこの身で喜んでいかれたのである。そして、自らの余命を知ると、気にかかっていた同行の方にますます働きかけ、そして、最後は後に続く念仏者の仏法相続の一助にと尊い配慮までして下さっで、逝かれたのである。南無阿弥陀仏

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