« 『御伝鈔』下巻第七段「廟堂創立」(1) | トップページ | 『御伝鈔』下巻第七段(3)「~廟堂創立の経緯とその後~ »

『御伝鈔』奥書

そして、最後に本文とは別に、奥書がある。
『御伝鈔』(『伝絵』)作製の意図を後書きとして述べられているが、時代の異なる三つの奥書からなっているのが特色である。その大意のみを述べる。

第一=根本奥書といわれ、永仁三(1295・覚如上人26歳)年に、『伝絵』が初めて作製された時のもの。聖人の「知恩報徳」のためのみに作製されたことが明記される。絵は、康楽寺浄賀による。「善信聖人絵」と題された。

第二=その44年後、暦応二(1339)年に、書写して作り直す。初版原本は、建武三(1336)年、足利尊氏の京都侵攻の兵火により、本願寺と共に焼失したことが記される。

第三=その4年後、康永二(1343)年、覚如上人74歳の時、最終版として「本願寺聖人親鸞伝絵」が作製された時の記述である。
      
以上で『御伝鈔』が終わった。南無阿弥陀仏

|

« 『御伝鈔』下巻第七段「廟堂創立」(1) | トップページ | 『御伝鈔』下巻第七段(3)「~廟堂創立の経緯とその後~ »

聖典講座」カテゴリの記事