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おイヌさま

  報恩講の朝、長女が東京の羽田空港に出かけていた。どこかに出かけるのではない。空港で、イヌを預かるためだ。

 ブラジルから一家が帰国したが、次女が飼っているワンちゃんも一緒にきたのだ。今はコロナ、特にオミクロン対策で、海外からの帰国後の行動制限がされている。帰国後にすぐにPCR検査後、国の用意した宿泊施設に入り、3日間そこで過ごす。陰性でも、一緒に帰国した家族、夫婦でも親子でも、一切の接触も外出も禁止されて、それぞれ個室で過ごす。食事は、放送があって、誰とも接しないで食事だけを受け取り、また所定の場所に置くというのである。娘曰く「まるで監獄みたいや」と。

 3日後には、再度PCR検査があり、もし陽性ならその施設に留まることになる。陰性でも、公共交通機関は仕えず、10日間の自主隔離生活を送ることになっている。15日に帰国したので、29日までは東京に留まることになっている。

 問題は、一緒に帰ってきたワンちゃん(聞ちゃん)である。どの施設でもペット同伴は認められないので、この間だけ、一時預かりとなった。

 ワンちゃんにしてもたいへんだ。長時間の移動を強いられている。飛行機だけでも、ドイツで乗り換えがあって、正味の飛行時間だけでも24時間はかかる長旅を、小さなゲージ中で過ごす。今度は新幹線に乗って見知らぬところ地までやってきた。もともと寒い地域(ボーランドやドイツ北部)の産であるが、ブラジルの中でも暑い地域の生まれで、経験したことのない寒さや雪にも驚いている。

 娘からは、詳細な伝言があり、「聞ちゃん、取り扱い説明書(トリセツ)」としてまとめると、A4用紙3枚分もあった。これがすこぶる面白く、法話のネタになりだろう。うまくトイレができれば褒めちぎり、無闇に名前を呼ばず、叱るときも「聞ちゃん、ダメ」と言うと、名前を入れると自分が否定されているようなので、上から、低い声「ダメ」と言う、名前は本当に用事のある時だけ。食事の時間、量も10グラム単位で、、、と続いていく。

 いやいや、もう「お犬さま」です。

 

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