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『御伝鈔』下第四段「箱根霊告」(1)

 『御伝鈔』下巻第四段「箱根霊告」。
 前段の修験道(山伏帰依)につづき、神道の神にも尊敬される聖人は、ただ人ではないことを示すと共に、他力信心の徳である「冥衆護持」の現世利益を示す段である。

 そう長くはない段だが、一応、二段に分けていただいた。
一、「聖人 東関の堺 ~ 孤嶺にかたぶきぬ」
 箱根の難所=親鸞聖人が関東から帰洛の途中、険しい箱根の山道で夜も更け、宿を請われた。
二、「時に、聖人あゆみ ~ 珍味を調えけり」
 箱根権現の尊敬=たまたま訪ねられたのは箱根権現に仕える神官の社務で、「今、夢に、箱根権現が現われて『私の尊敬する客人が通るので、丁重に歓待するように』と告げられた」と述べ、聖人を丁寧にもてなしたといのが、分科と大意である。

 ところで、「権現」とは、本地垂迹説により、日本の神が仏や菩薩が仮に現われたものであり、その尊称が権現。仮に現われたの意である。ここでは箱根権現のことであがるが、箱根三社権現と称し、「瓊々杵尊」「彦火々出見尊」「木花開耶姫」を祭り、法体は「文殊菩薩」、俗体は「弥勒菩薩」、女体は「施無畏観音」である。明治維新の神仏分離によって、箱根権現は箱根神社となっている。その箱根権現での出来事である。

 「東関の堺」「華城」「晩陰」「険阻」「暁更」「慇懃」「饗応」「示現」「忽爾」「影向」「炳焉」「感応」「尊重屈請」などなど、見慣れない漢語調の言葉のオンパレードで、原文を一読した時は、皆さん「?」という感じだったが、語句をおさえていくと、内容的には難しい一段ではない。ある意味、たわいのない内容でもあり、覚如上人の記述も出来事のみで、どう真宗の教えの上で、また聖人の歩むの中でおさえていくのかというあたりは、少し補足が必要だった。(つづく)

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