6月の真カ研月例会
6月の真宗カウンセリング研究会の月例会。
「セラピーにおけるパーソナリティ変化の必要にして十分な条件」(ロジャーズ選書(上)収録の新訳)の輪読だ。このロジャーズの論文は、ぼくが担当を始めてからでも3度目の輪読となる。前回からは10数年が経過して、参加の顔ぶれは大きく変わった。カウンセリングに関しては、初心の方も多いので、新鮮な気持ちで関わられていただく。
まずその冒頭。大切なのは六条件に入ってからたが、その前提となる「問題」は、その問題提起の部分で、ここが理解できないと、この先なにを言わんとするのかがボヤてしまう。その割にはあとが大切なので、読みとばされていく部分でもある。
内容とは関係ないが、今回の発表は、用語や言葉の意味の説明に努力してくださったことである。ただ惜しいことに、ここでは何が一番言いたいかのという点では、みんなよく分かっていないという印象を受けた。「木を見て森を見ず」ではないが、用語の一般的な説明も大切りが、あくまでも木の部分なので、全体像としての森をつかんでいかないと、余計迷ってしまう。レジュメの説明を聞いても、ただ本文を写しただけでどこがポイントなるのが伝わってこない。また感想を出し合っても、自分に引き寄せたところでしかモノがいえない。すると、自分に響くものがないときは、何も出てこず默るしかなくなる。もちろん、丁寧に用語を押さえることも必要だし、そのまま聞かせていただくことも大切だ。もう一段階、ぜひ、ここで何が一番言いたいのかを探る訓練をしてほしい。そのためには、読む力、読解力を磨く必要がある。そういうと、何か特別なもので、読解力があるとかないとかの問題になりそうだが、ただダラダラとすべてを聞くのではなく、何がポイントなのかを考えながら読む「クセ」をつけていくことが大切ではないか。もちろん理解力も必要なのだか、その上で、ポイントをおさることを常に努めていくのてある。そこから、始めて、自分に引き寄せたところでの問題がでてくるのではないだろうか。
これは、ミニカン等で学んでいる「聞くコツ」と同じだと思う。もう一歩の成長を望むなら、「わからない」「難しい」「ここがかっこよかった」といった自分のところに引き寄せらた感想で終わるだけなら、いつまでも深まってはいかないのてある。
積極的に関わるには、せめて事前に読んでくる。分からないことは、ネットで調べればだいたいは分かる。それでも分からないときは尋ねればいいので、それを前提にした上で、もう一度も読み、みんなポイントを掴み、その上で感想を述べていく。そうしないと、単なる味わいだけで終わって、輪読の意味が薄れる気がしてならない。
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