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京都支部法座~聖徳太子と親鸞聖人~

 ということで、史実のみならず伝承も含めて、親鸞聖人が道に迷われた時には、必ず聖徳太子様にご相談される経緯を頂いた。これは父の大学院時代の恩師でもある大原性実和上も触れておられるのであるが、親鸞聖人への四度のご教示を窺うことが出来る。

 一、十九歳の時、磯長の御廟(叡福寺)での夢告-「いのちはあと十年」(『親鸞聖人正統伝』ある、伝承)

 二、二十九歳、六角堂での夢告-「生死出づべき道を求めて」(『恵信尼消息』811)        
                           
 三、三十一歳、六角堂での夢告-「結婚生活を示唆」(『御伝鈔』第三段・1044) 
  今は、二の示現の文(つまり夢告は1回のみ)の可能性が高い

 四、八十四歳、常従門弟の蓮位房の夢想-「善鸞房、義絶の決意へ」(『御伝鈔』第四段・1046)
  これは、聖人ではなく門弟の蓮位房の夢告だが、この悲劇の前後に、多くの聖徳太子讃仰の和讃を作製されている意味は深い。

 観世音菩薩、世間の人々の悩みを聞き届ける菩薩様の化身でもある聖徳太子は、多く悩み事を聞き届けられた聖君として知られている。その意味でも、聖人は、聖徳太子に道を尋ねられていくのではないか。

 また太子は、和国の教主(日本に生まれたお釈迦様)ではあるが、出家者ではなく妻帯をされた俗人として仏道を歩まれた先達としても、聖人にとっては特別な想いがあったのではないか。今では、伝承的ではなあるが、聖徳太子か講義された大乗経典は、『法華経』『維摩[ゆいま]経『勝鬘[しょうまん]経』であるが、『維摩経』は、在俗の維摩居士が、舎利弗を始めとする仏弟子(声聞)方をやりこめて、文殊菩薩をもしのぐ智慧で、空の思想を明らかにするものである。また『勝鬘経』は、勝鬘夫人という女人が説き、また女人への救いを説く教えである。そして、『法華経』は、一乗思想による悪人も含めたすべてのものの救いを説く経典であることからも、在俗のもの、女人、そして一切ものが救われていくことを示されているのも、聖人にとっては大きな指針になっているのではないだろうか。 

 「世間虚仮 唯仏是真」(天寿国繍帳)  

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