「ほとけと神々大集合」~岡山の宗教美術の名宝~
風も強く、雪が舞い、冷え込む。
母も一緒に、龍谷大学ミュージムの『ほとけと神々大集合』~岡山の宗教美術の名宝~と題した展示。「なぜ、岡山なの?」 まったく仏教美術のイメージがなかったが、岡山県立博物館の改修工事に伴う企画で、おかげでまったく知らなかった岡山の宗教美術に触れられた。岡山は古来、吉備国と呼ばれ、大和や出雲に並ぶ一大勢力地であったという。同時に、美作は、法然聖人の誕生地であり、臨済宗の栄西もまたこの地の生れだという。
真言宗(イメージとしては四国や和歌山だが)の勢力が強いのか、第一章は、密教美術、第二章は、神仏習合の美術と題されている。ぼくには、仏教美術の中でも、一番、馴染みのないところ。、曼陀羅も呪術めいて敬遠しがちだ。でも、重要文化財の両界曼陀羅(胎像界と金剛界)がとてもよかった。保存状態がよく彩色も美しく、細やかなところまで見ることができた。後、十二天(入れ替えで6幅ずつ)の図画も、きれいだった。バラモン教の神々が、仏教守護の神々として仏教に取り入れられていくプロセスを学んでいたので、興味をもってみることができた。また、本来、偶像化されない日本の神も、仏教の影響で偶像となるが、男神や女神があるのが面白い。さらには神仏習合された神や仏たちも提示されていた。タイトルは「ほとけと神々、大集合」であるが、「大習合」でもよかったかも、、。
2階は常設展示でお馴染みのものが多かったが、企画は3階のワンフロアーのみのだったが、すべて初見で岡山の仏教美術にすこしでも触れられて、予想外によかった。
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