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西七条の「えんま堂」展

   博物館や美術館の行くのはコロナ以降初めてとなる。これまでと違い密を避ける為にネット事前予約が必要だが、混雑することはないが、母も一緒だったのでゆったり鑑賞できるのは安心である。
  龍谷大学ミュージアムの『西七条の閻魔堂展』に行く。

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 常設展ではあるが、仏教の思想と文化と題するシリーズ展の第八弾。第一部は、仏教誕生のインドから始まるアジアの仏教、第二部は、日本の仏教、最後は浄土真宗へとつながる流れである。それで、第一部では、仏教とは、釈尊とは、大乗仏教、東南アジアの仏教、西域の仏教、そして中国へというあまりに広範囲のテーマを総花的に展示しているので、各テーマが1~2躯の展示と説明で終わってしまうのは致し方ない。8割以上は、すでに観たことがあるものだが、それでも体系的に展示され、釈尊の生涯に合せて四大仏跡の写真や解説などでは、2月のインド仏跡旅行が甦ったしてよかった。小さなところでは、今、講義を聞いている永観律師の『往生拾因』が、鎌倉時代の墨擦が出ていた。書写ではなく、鎌倉時代には需要があり普及していたのかと思うと新鮮な驚きだった。

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 そして、今回は、西七条の「えんま堂」閻魔大王初めとする十王像の特集があった。いつも家庭法座を開かれる西七条のM家は、このお堂を目印に道を曲がってすぐにある。ぼくにも馴染み深い、地域に溶け込んだ小さなお堂の仏像が取り上げられたことに驚いきた。そして、そこにあった十王像が、鎌倉や室町時代の文化財であったことが、最近の龍谷ミュージアムの調査で分かったというのだ。これには地域の方やお堂をお護りしてい方々もたいへんな驚かれたという。冥土の冥官と同時に、閻魔王の本地である地蔵菩薩や京都の地蔵盆、またユーモラスな地獄絵なども紹介されていた。どれも庶民の身近にある仏教信仰の形態で、今にも形は息づいている。

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 コンパクトで楽に観られることもあって、母も喜んでくれて、なかなかよかったですね。

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