おみと様の一言
昼間の発送に続いて、夜は、「仏書を親しむ会」。『仏敵』もいよいよ最終章の第九章「深信の徹底」である。名所が随所にあるが、伊藤先生に深信の徹底された後、同行たちの仏法讃嘆の一言である。
「なあ! 泣くは我、泣かすは親ぞ! 親の手許には五劫永劫のご苦労がある。坊んち(伊藤先生のこと)、大切にいただきましょう。いくら喜んでも喜び尽くせるものではない。南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」
静かなる道場の空気を震わせるすすり泣きの声は、一声一声の念仏と共に、鋭く私の魂の奥へ食い込んでくる。ああ! 祖聖親鸞の御同行は、この貧しき念仏道場にましませるか。久しく求めて得ざりし如来の家は、この狭く薄暗き小道場の中に建てられたるか。人間こそ光明よ。同行こそ我が善知識よ。
そうなのだ。間違いなくこの100年前の貧しき念仏道場での念仏讃嘆の声が、いまこの華光会館の道場に「南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」と響き渡り、この私の胸に至り届いてきているのだ。
「大切にいただきましょう。いくら喜んでも喜び尽くせるものではない。南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」という、伊藤先生へのおみとさんの言葉は、私にかけられた言葉でもある。粗末に、片手間にご法を扱ってはいないか。ほんとうに大切に、大切にいただき喜ばせていただこう。
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
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