インド仏跡(31)~格差社会~
当初の予定では、スラバスティー(舍衛城)泊だったが、さらに168キロの道を、6時間かけてて走って、ラクノウまで進むことになった。UP州の州都であるこの街には思い出がある。39年前はスラバスティには宿がなく、ここまでバスで走った。その夜、タクシーに分乗して映画館に繰出した。字幕なしのインド映画を鑑賞する。日本でのインド映画ブーム前だったが、ダンスと音楽が溢れた極彩色映画は言葉も分からなくても楽した。それよりインド人(当たり前)満員の映画館の雰囲気が、楽しかった。その時は、飛行機でデリーまで行ったが、予定どおりに飛ばずに、長い時間待たされたので、原っぱで円座になって座談会をしたことも、懐かしい思い出だ。
でも今回は大いに驚いた。大都会であることは聞いていたが、情報ではなく、実際に体験することで分かるもとある。日本並の高速道路になったかと思うと、高層ビル群があちこちらに現われたことだ。球場ではナイターもやっていた。野球ではなく、インドの国技といっていいクリケットである。明かりが煌々とついているところは、結婚式場だという。田舎の式もすごいと思ったが、都会は規模が違う。ホテルも、一気にグレードアップして、ぼくたちがとても田舎者で、場違いな場所に来たくらいの想いがした。それほど落差が激しかった。
たった8日間とはいえ、インドの田舎を巡回しただけでも、貧富の落差の激しさを実感させられた。いくら格差社会になったと日本では体験できない類のものだった。
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