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下輩段(3)~下品中生~僧侶の罪

 次は、下品中生の悪人です。
「破戒」(五戒、八斎戒は在家者、具足戒は出家者の戒を破る)と、「盗僧祇物」(サンガの財産を私物化したり、盗む)と、そして、「不浄説法」(名聞(名声や名誉)や利養(利益、生活)を目的に説法する。もしくは、悟ってもいないのに体験したかのように説法する)というのです。
 お寺のものを私のものとして使い、名誉や生活のために説法をする。または信心を得たふりをして人に説く。寺院に暮らすものには、まったく耳の痛いことばかりがならびます。つまり、下品中生は、僧侶(出家者)罪というけわけです。
 しかも、下品上生と同じく、自らの罪について慚愧することがない、自覚することもない愚人ということになります。それが、臨終の時、地獄の猛火が迫ってくるというのだすがら、これはもうたいへんです。
 やはり、人に遇わねばなりません。臨終で、善き知識のご説法にあいます。

 では、何が説かれ、何を聞くのか。
「十力威徳」とは、如来が備えている十種の力のすぐれたお徳。
「光明神力」とは、阿弥陀如来の光明の不思議な救済力。
 そして、「戒・定・慧・解脱・解脱知見」とは、最高の悟りの境地に至ったものが具備する五つの功徳です。
以上の「十力威徳」「光明神力」「五分法身」を、これを、善導様は「弥陀の名号」だと教えてくださいました。第十七願と成就文との関係でも明かです。

十七願文「十方世界の無量の諸仏、ことごとく咨嗟して、わが名を称せずば…」 

十七願成就文聞「十方恒沙の諸仏如来、みなもとに無量寿仏の威神功徳の不可思議なるを讃嘆したもう」

善導様「弥陀の名号を聞きて、すなはち罪を除くこと多劫なる」『散善義』

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