インド仏跡(4)「サルナート」(3) ダーメク・ストゥーパでの輪読
◆ダルマラージカ・ストゥーパ◆
石柱の南側に、アショーカ王によって建立されたと思われるダルマラージカ・ストゥーパの址(あと)。
このストゥーパは、創立当初は直径13mで、後世に6回も増広されて壮大な塔となり、7世紀にこの地を尋ねた玄奘三蔵様は、「アショカ王建立のストゥーパは、基壇は崩れ傾いているが、いまも百余尺の高さで、前に70尺余の石柱がある」と記している。しかし、1794年、ヴァーラシー王のディワーン(廷臣)によって完全に破壊。頂上から約8メートルの場所から発見された石箱に収められた緑の大理石の舎利容器の遺灰も、ガンジスに流されてしまうのでした( ;∀;)。もし釈尊の遺灰だったとしたら、残念なことです。
◆ダーメク・ストゥーパ◆
さて、今日のサルナートを象徴する巨大な塔はが、ダーメク・ストゥーパ。
基部の直径約28m、高さ43mもあり、威風堂々としている。マウリヤ期の創建とされ、粘土と煉瓦づくりの形を、グプタ朝時代に美しい模様や文字が刻まれた石で覆われている。遠くからは分からないが、近づくと紋様がとても美しい。
ストゥーパを調査したカニンガムは、頂上より90㎝下に、6~7世紀(一説に3~4世紀)の文字で、「諸法は因より生ず」と記した石板を発見。これは律蔵に出る「すべてのものは因縁によって起る。ブッダはその原因と、その減肅を説く」からとられたものと考えられているが、未だ謎の部分が多い塔だ。
今回も、このダーメク大塔の下で『讃仏偈』の勤行。その後芝生に車座になり『子どもの聖典』の「おしゃかさまの一生」を輪読。先程は、野生司画伯の絵画を通して「お釈迦様の一生」を窺い、今度は、子ども向けの文章で、80年のご生涯とそのみ跡を頂いた。これからの旅の指針である。色とりどりの鳥たち(野生インコ)やリスたち走り回っていて、法座が始まると集まってきたのが不思議。感銘深いものがあった。
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