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10月の聖典講座~回向発願心~

 前回、台風のために中止になった聖典講座。2ケ月ぶりで、『観経』の三心のうち「回向発願心」で、主に「二河譬」「二河白道の譬」を頂く。

 冒頭は、回向発願心についての善導さま、親鸞さまの3つの解釈について触れた。簡単に言うと、『散善義』では、
(1)当面どおり、自らの善根を振り向け(回向)、自ら浄土往生願う(発願)、自力の心の立場。
(2)他力回向の立場。如来様からの回向される深心もちいて(他力回向)、必ず浄土の生まれさせていただくことを喜ぶ、他力回向の立場。
(3)最後は、回向に「還相回向」の意味があることにも触れておられるが、ここでの意味ではない。
の3つの立場である。いうまでもなく、浄土真宗は(2)の他力回向の立場で、親鸞様は善導様の原文を大胆に読み変えて、阿弥陀様からの回向を強調されている。

 そこを踏まえた上で、メーンである回向発願心の最後に示された「二河譬」を読む。『散善義』の文を、親鸞様の『信巻』の引用されているので、皆さんで読み込んでいった。二河譬は、「譬喩」の物語の部分と「合法」という解釈の部分とに分かれる。それで、上段に「譬え」、下段に「合法」で、上下が対応するレジュメを造った。「合法」の部分は、善導様の解釈だけではなく、『愚禿抄』や『信巻』にある親鸞様のご解釈も、別記して加えていった。我ながら労作であったが、以前、華光大会でのK先生の法話レジュメの様式を参照させてもらっただ。ありがとう。

 これは、信心を守護するたとえであるが、同時に、発遣と招喚に、信順する他力信の姿でもある。また、聞法や求道の姿としてもいただくことが出来て、尊かった。

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