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仏書に親しむ会~『仏敵』第3章~

『仏敵』の第三章(2)を読む。51~66頁である。第三章は「田園の念仏者」と題されている。

 「田園の念仏者」のタイトルから、のどかな念仏者の、ほのほのした味わいが語られるように思われるが、まったく違う。
   化け物屋敷のような風情に、伊藤先生は焦りまくるおよしさんの危篤の報を受けた伊藤先生が、野口道場に駆けつけた。その日の夜は、およしさんのご教化を受けた同人たちが駆けつけて、座談会が始まる。最初は、その個性的な面々に、「自雷也のガマ」「海ガメ」「おたふく」「タコ」「トランプの王様」などと名付けて面白かっている。しかし、植嶋雜、やえ様に、坊さんも加わって、丁々発する信仰放談が始まる。自らの体験談を語るもの、無信仰の僧侶を撃つもの、紙一重が破れないご示談の様子…とまさに「蛇の道は蛇」の、不可思議の世界である。

 結局、理屈や学問では分からない会話。すべてが、およしさんという得道の人に出会いから開かれた超越の世界に生きる人達の、法の言葉だといっていい。だから、どの言葉も、どの会話も、味わい深い名所ばかりなのである。ぜひ、何度も声に出して味わってみてください。

 次回は、12月4日(水)夜6時50分~9時

 第四章「学園を乱す者」の(1)にはいる。無碍の念仏者の、伊藤先生をひとり撃つために、搦手からの攻撃に怖じ気づいた伊藤先生が、裏口から逃げ出して、その2月に起こった龍谷大学での事件を回顧するシーンである。長くなるが(1)のところを一気に読んでいきたい。

 

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