秋の連休。晴天で、暖かくて絶好の行楽日。反対車線の上りは、京都を前に大行列。しかし、下りは新名神の高槻からのルートが開通してから、渋滞の名所だった宝塚トンネル付近もスムースに進む。予定通りに、出口の山崎IC。ここからは近い。ところが、出口前に本線から渋滞が伸びて、一向に動かない。「山崎で降りて、どこに行くのかな」「どこもないよね」「きっと事故か、ゲートのトラブルじゃないの」と。少し動いてはまた停まるを繰り返し、10分、15分と経過し時計が気になってきた。本線中の真下にお寺はあって、ICからも2㎞ほどだが、思わぬところで足止めだ。
「もしかしてみんなお寺に向かってるんじゃないのか」「とうとうきいたか」などとバカ話をしてたいが、すぐに夢はくだける。出口ゲートまでたどり着くと、逆側方向の道が大渋滞。残念ながら、お寺のほうに向かう車はぼくたちだけだった。
「みんなもみじ祭にむかうのですよ」とご住職。この2日間、さまざまなイベントが行われているという。「最近、盛んになって、報恩講と日程がかぶっているですよ。今日、法中で出勤されるお寺さん方もその地域にあって、移動もたいへんなんです」と。
するとお仲間のご住職から「いま、うちの本堂でも、もみじ祭に協賛して、山崎町仏教会の寺宝展を開催中です。法座が終わったらお出でになりませんか?」とお誘いをうけた。法座の合間の休憩時間に、山崎町の旧城下町から「もみじ山」に向かう会場付近まで送迎くださる。
古い酒蔵のある旧城下町。その一角に寺町のようにお寺が集中している。会場では、知り合いのご住職や坊守方が受付や場内整理をされていた。山崎町仏教会だが、浄土真宗が中心で浄土系統の寺宝ばかりが並ぶ。メーンは、浄土宗のお寺が殿様から下付された「涅槃図」と「観経曼陀羅」が大作だが、江戸時代のもので新しい。
そして展示の半数以上は、来月報恩講でお世話になる西光寺の寺宝が占めていた。由緒あるお寺とは分かっていたが、いいものを持ってます。鎌倉時代や室町時代のものもたくさんある。撮影の許可をもらって一部をご紹介。いろいろものがあるといはいえ、余所様のお宝を預かるのである。心配でおちおち寝てはおられなと、「宝物の警備を手伝わー」と、法座懇親会は寂しくあったけれどね。
以下は、西光寺の宝物の一部。上から「美人画」「吉光女像」(親鸞様の御母堂・鎌倉期)「円空像」(蓮如師の讃・室町期)
お宝拝見のあとは、イベント会場になっている商店街を歩きながら最上山もみじ山にも紅葉狩へ。夜にはライトアップもあるという。とてもきれいでした。
「山崎で降りても、何もないよいねー」などと失礼な会話。すみませでした。