『仏敵』を読む(1)
今月の「仏書に親しむ会」から、求道物語『仏敵』を輪読する。『仏敵』の初回ということで、輪読初参加の方もあり、久々に二桁の参加者。
初回なので、悟朗先生の「あとがき」から読む。その後『仏敵』の構造、時間軸を基にして流れを説明した。
〈大学生の体験と筆〉
伊藤先生は、この時、大学2回生の春休み(3回生になる)ということである。
しかも、野口道場での聴聞は、5日足らず。全体としても(4章の回想部分を除く)、その春休みの出来事を綴った書物で、その回想部分を遡っても、2月下旬から4月にかけて、極めて短い間の出来事を綴った、求道物語だ。。
そしてその1年後は、「仏敵」の原型が出来たという。つまり、伊藤先生は、大学生で、これは青年(学生)の体験であり、大半は、学生時代の筆によるのだからら、また驚きである。
〈伊藤青年は「善き知識」を求めていた〉
第4章に、野口道場での衝撃を癒すために、夜に外出される場面で、この2月下旬からの回想部分がでてくる。ここに、伊藤青年が、なぜ春休みの帰省(休暇)を伸ばして「善き知識」を求めていたのか。ここを合わせて読まないと、伊藤青年の悩みは理解できない。その悩みの解決のために、第1章で、京都で「念仏庵」を尋ねたり、他に日課数万遍の念仏を試みたり、参禅を考えたりしたのも、後生の指南となる「善き知識」を探しておられたということになる。
しかも、求めてたいのは、学識のある先生ではなくて、一文不知の尼入道のように無碍に法を慶んでいる善き知識でした。そんな人に、本当に頭が下がるのかという疑問を持ちながらも…。それが、第2章で、野口道場に足が向く、つまり、およしさんに会ってみたいという伏線の役割をしているのである。
(各章の構造の表は、また次の機会に載せます)。
7月は、第一章から読むので、この機会に、ぜひご参加を!
▶7月の『仏書に親しむ会』
7月3日(水)夜6時50分~9時
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