東本願寺で「釈迦内棺唄」を観る(1)
東本願寺の「しんらん交流館」で、2日間に渡っての劇団希望舞台「釈迦内柩唄」の公演が始まる。昨春の東京築地本願寺での公演を見て以来、ちょうど1年ぶりである。
これまでこの演目は、5年間で4度観だが、演出がそれぞれ違うので、雰囲気は違った。最初は、米倉斉加年氏の演出。前回は、劇団代表の由井数氏で、今回は、加藤頼氏が演出補である。 何度も観ても、新鮮なのは驚いた。それぞれの感想は以下で、、。
(劇団希望舞台提供・顔ぶれから昨年の舞台から)
しかも、同じ芝居を、2日間続けて観れたのは、貴重な体験だった。映画好きのぼくは、2度、3度と気に入った映画をみることはある。それは期間を空けてのことで、連続で観たことはない。観るこちら側の状態が変わっただけ、印象は異なるのだ。しかし、映画そのもの内容については、演技を含めてまったく変わらない。当たり前である。
ところがである。演劇は違う。今回、それがよく分かった。セリフが同じでも、その間、トーン、雰囲気が異なる。それは舞台上の役者だけではない。観客の雰囲気が、舞台に影響するように思えた。いや、役者の演技が観客に影響しているのかもしれない。とにかく、エンカンターグループや華光の法座と同じである。話す者と聴く者との相互のコミニケーションであるように、舞台も生きたコミニケーションの場であった。
両日とも、2列目のほぼ同じ場所で鑑賞したが、断然、2日目の方がよかった。連れ合いの演技も白熱していたように思う。
初日は、舞台上もなんとなく緊張感があった。1列目には、大谷派や東本願寺のおエライ方(鍵役様ご夫妻、宗務総長を初めとする役員)方が座っておられたが、固い感じがした。静かだったので、咳が止まらない方がいて(またいいシーンほどうるさい)、気にもあった。一方、2日目は満席で、追加でイスが設けれた。観客の反応も、劇場の雰囲気も違った。おかしなシーンでは笑い声も断えず、また「リエちゃん~」と声がかかり、最後の拍手も鳴り響いた。
同時に、お誘いした皆さんの反応も気になったが、皆さん、異口同音に喜んでくださった。「感動した」「迫力があった」とか、「奥さま、プロの役者さんだったのですね。驚きました」とかの声を頂いた。ある方の御礼メールで締めます。
本当に素晴らしいお芝居に出会えて、今もその余韻に心が震えています。「差別」と「人間の尊厳」について深く考えさせられました。時代はあれから、人権の尊重や平和主義へと進んできたはずなのに、ますますこの舞台が求められる厳しい現実に直面していますね・・・。
渡辺淳さんの絵に初めて出会えたことも幸せなひと時でした。何と優しく温かい絵の世界でしょう!
有馬理恵さん始め、希望舞台のゆかりさんの奥深い演技に、自分も釈迦内の地のふじ子たち家族と一緒にその場に居させてもらってる感覚を覚えました!
本当にありがとうございました。
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