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ご示談

 先週の真宗法座の集いでも、未消化のまま終わったのだろ。

 ただ聞くこと一つ。こんな易しい御法はない。しかし、そのたった一つが、難中の難である。

 対峙する二人が、共に苦しい時を過ごした。

 「ごちゃごちゃ言わずに、ただ称えさせてもらいましょう」

 「機を詮索は無用。ただ、法の手強さを仰ぐ一つ。凡夫は、なんのわずらいもなく、ただただおまかせしていきましょう」

 「求道などないのです。ただ仏さまの願いを聞くだけです」

 これまでぼくか、法座や真宗者の方から、どこかで聞いたことがあるフレーズだ。

 しかし、それらは、ぼくがこれまでお聞かせに預かってきた浄土真宗の肝要ではない。いや、似て非なるものだといってもいい。たとえつらい道ののりでも、たったひとりでも、この一大事を突破させてもらう。納得するのでも、言い聞かせるのでも、心の安らぎでも、念仏や体験を握ることでもない。誤魔化さず、真摯にまことを求める人と、ぶれることなく、愚直に、共に歩んでいこう。南無阿弥陀仏
 

 

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