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カウンセラーの態度

 それで、それに続いて、基本的仮説、そして態度について明瞭に言及されたあとに、カウンセリングの核心を平たい言葉で語っておられる。

 人間は、心を開いて接してくる人の前では安心感と信頼感を深め、自分はその人から、いま、ほんとうに大事にされ、温かく受け入れてもらっているなと感じ取ることができたら、そのとき、自分に対してすなおになり、自分を真底から大事にしようという気持ちがわきおこり、それとともに恵まれた命の限り、生き生きと生きようという意欲や力がうちからみなぎってくるものである。(P209)

 この人間をクライエントに置き換え、その人をカウンセラーと置き換えたならば、カウンセラーとしての私は、いま

(1)ありのままの自分であろうとしているか。
  自分と相手の存在そのものを無条件に尊重・尊敬できる心の状態になっているか。

(2)自分の内面に刻々沸き起こり、刻々動いている感情に気づき、受容できているか。

(3)相手の感情に流れ、気持ちの動きにぴったり寄り添い、耳を傾け、それをありのままに理解してしようとしているか。

(4)相手の感情と、自分の感情をまぜ合せてないでいられるか。
 つまり正しく傾聴できているか。

(5)理解できた「相手の感情・気持ち」を相手の感情にマッチした音調や語調で正確に相手に伝えているか。
 また、こちらの声が相手の人格の中枢にとどくような発声をしているか。

(6)いまクライエントにとって必要な、カウンセラー自身に関する情報を正しく伝えているか。
 例えば感情や立場の率直な表明をしているか。
 歪んだ感情をぶちまけたり、相手を脅したり、自己防衛的な言い訳をしたりしてはいないか。(P210)

 改めて援助的人間関係の上で、わが身を振りかえさせられた。単なる言葉面の理解ではなく、できているつもり、分かっているつもりでいるが、わか身の態度を振り返ると、ただ恥ずかしくなるお粗末な自分しかいない。特に、(5)の伝達の表現のきめ細かさ(これには実戦の場での指導を頂いた思いでもある)(6)の自己表明(アサーション)が自己一致の厳しさなどは、まだまだ未熟としかいいようがない。 わが態度を振り返る鏡の言葉として、定期的に頂いていきたい。さっそくPCの横に張り出した。

 同時に、ここまで大きなお育てを頂いてきことにも感謝である。

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