『永観、遅し』と永観堂ライトアップ(2018年紅葉京都(3)
アメリカでたいへんお世話になったKご夫妻を京都にご招待した。これまでご一緒に食事はしても、京都案内はできないままだった。せっかく11月の華光大会に合せ
てお出でになったのた。少しは秋の京都を満喫していただこうと、京都紅葉の定番中の定番を巡ることにした。
初日は夕方から永観堂のライトアッブを楽しみ、ローフードのイタリアンへ。翌日は、朝一番に東福寺を拝観し、智積院、昼食を挟んで、三十三間堂と東
山の南部を巡る。ランチは、すぐ近くのマチャプチャというオガニックカフェならば、京都駅もすぐ近い。
まずは夕方5時30分開門の永観堂へ。車は不可なので、タクシーを利用。開門30分前の5時には到着。ところがもうすでに何百メートルもの長い行列が出
来ている。
最後尾に並んで係に尋ねると、「6時30分頃でしょうかね」との返事。90分待ちか。並ぶのは覚悟の上で30分前に到着したが、考えることはみな同じだとうことだ。でも敷地は広いので、入場が始まれば早いという期待はしたいた。長蛇の列
はどんどん伸びていくが、これは個人客だけ。5時15分頃になると、観光バスが続々と入ってくるが、大手団体ツアーは大行列を横目に、別の入り口から入場していくようだ。8年前も並んだ記憶はあるが、ここまではな
かった。
http://karimon.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-5056.html
ただ師走を前夜なのに、温かいのが幸いである。そして、開門と同時に列も動きだした。チケットも効率よく代える仕組みが出来ている。5時50分頃には入場できた。
阿弥陀堂にもお参りできた。西山派らしく観無量寿経変相図(浄土曼陀羅)が脇に掛けられている。見返りの阿弥陀如来である。
「永観、遅し」という呼びかけられる阿弥陀様。
ぼくは、これを真宗的に味わっている。「かりもん、遅し」。そうだよね。十劫もお待たせしてきたのだから、大遅刻も大遅刻。このお言葉が有り難い。
ちなみに永観堂は「えいかんどう」と呼ぶが通称名で、正式名は「禅林寺」である。そして永観律師も「えいかん」ではなく「ようかん」と発音するが
、羊羹のようで、一般には「えいかん」である。法然上人より先達の日本浄土教の先駆的なお祖師である。しかしお寺の歴史は、それよりもさらに200年以上前に遡り、もともとは真言密教のお寺だったという。「永観、遅し」も、念仏三昧の行道のエピソードである。それが、なぜ西山浄土宗の本山になったのか。
鎌倉時代の住職だった静遍(じょうへん)僧都が、法然上人の専修念仏を撃つために『選択集』を読むも、読めば読むほど、間違っていたのは自分の方だったと気づき、専修念仏に帰依し、證空上人を次の住職に迎えたというのである。
これもまた有り難いエピソードだと思う。南無阿弥陀仏
ライトアップされた紅葉は艶やかで、真っ赤のものから赤みを帯びもの、だいだいに、黄色に、まだ緑のものと、そのグラデーションが見事というしかない。湖面に映る紅葉も絶景だが、残念ながらうまく写真には収めきれない。実物よりきれいに切り取れる写真もあるが、なかなか目の前の風景を収めきることはできないのも事実。
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