三回忌法要
豊中の服部に向かう。ちょうど2年前の9月に、ご示談に窺った。皮膚病に苦しめされ、精神的にも生きる気力を失っておられた。しかし根にあるのは、この世の問題ではく、後生の一大事の不安であった。子供の頃から、横田慶哉師の法脈のご縁に連なっておられたのだ。残念ながら、一足飛びとはいかず、次回のご示談をお約束してお別れした。しかし、「またね」の「また」はなかった。次に連絡があったのは、一カ月半ほどしたころ。ただご示談の日程ではなく、葬儀の依頼だった。六十代後半での、突然の訃報。残された皆さんには、心の整理をつけるのがたいへんだっただろう。
それから、二年。早くも三回忌も迎えた。愛別離苦の逆縁として、残された二人のお嬢さん方々が、仏法相続をしてくださるようになったことだ。それは、お母様の願いでもある。近しい家族だけでの年忌。『子供の聖典』でお勤めし、そのあとお『正信偈』を勤める。30分の予定だった法話は、40分ほどになってしまったが、残された遺族の皆さんには、故人が聞かれていた仏法の一端をお伝えしたかった。それは故人の願いは、同時、阿弥陀さまの願いでもある。
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