蟻の道 雲の峰よりつづきけん
「仏書に親しむ会」の夜座を終えて、シャワーを浴びた。浴室が出て、ふと、目の前の柱にアリが登っているが目に入る。何か甘いものでもこぼれ落ちたか。下をみると、一筋の蟻の道。たくさんのアリたちが列をなしているではないないか。
新会館の中で、こんな光景は初めてである。アリの列を追いかけると、倉庫から浴室の前を通って、台所の入り口前まで続いている。まだ台所には到達していない。
かわいそうだが、通り道に殺虫剤を撒いて、あとは、掃除機でアリを吸う。啼いたり、悶絶しないから、心の痛みがないのが、恐ろしい。先程までの法悦も、すぐに鬼に早変わりである。連れ合いには、「地獄に落ちても、『アリ』の糸は垂らしてもらえないなー」とからかわれた。
夜10時を過ぎた遅い夕食。母に、アリの駆除の顛末を話す。すると、連れ合いがポツリと言った。
「大地震の予兆ではないか」。
サッーと、空気が固まった。先日の地震から日が浅い。その後、次の大地震のデマが出回っている。しかも、こんなことはこれまで一度もなかったのだ。なんとなく、みんな嫌な感じになった。家具から離れて寝ようか、という話にもなった。
夜は何度か目が覚めた。夜が深くなり、雨が強く降り続く。雨音で目が覚めるのだ。
そして早朝、連れ合いのスマホから、緊急速報の発信音が鳴り響く。「地震!」の声に、おもわず机にもぐり込む。
が、違った。大雨の警戒情報だった。確かに聞き慣れると、緊急地震速報とは違う。2日間は、警報音はなり放しで、その度にドキッとさせられ続けた。近くの町で、避難勧告やら指示が続き、この町にも「避難勧告」が出されたのだ。近鉄の線路を隔てた西側では「避難指示」である。
アリの迷走は、豪雨のせいだったのだろうか?
「蟻の道 雲の峰より つづきけん」
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