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『三里塚のイカロス』~VS国家権力な映画(3)

VS国家権力な映画の3本目は『三里塚のイカロス』だ。

http://www.moviola.jp/sanrizuka_icarus/

(1), (2)の映画は、裁判闘争という形で、法治国家の枠組みの中での正統な戦いであったのに対して、本作は、違法な武力闘争である。多くの若者が闘った。その純粋さ、エネルギーは凄まじいものがある。ぼくにとっても、管制塔占拠事件のテレビ映像は、強烈なニュースの一つで、いま記憶になる。

 しかし、その過程で、負傷し、一生涯、重度の障害を負ったものもあれば、死亡した者も多数いる。 その後、路線の違いから内ゲバも起こる。闘う相手は機動隊や警察官という暗黙のルールから、公団職員やキーマンとなる人を卑劣に狙う過激な暴力闘争が無差別に繰り広げていく、その過程も描かれている。

「歳月の残酷さ」ということを、いちばん強く感じた。

 たとえば、40数年前、反対派農民を支援するために、全国から学生たちが大挙押し寄せてくる。そしてその中で、地元の農民と、学生結婚した活動家の女性もかなりおられる。ういういしい20歳そこそこのかわいい姿が、還暦を過ぎた農家のおばちゃんになっている。見た目だけではない。家族(家族)はもちろん、畑や広い家を所持して、守るべきものが代わってきているのだ。

 40余年の歳月は、実に残酷である。

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