釈迦内柩唄を観る
5年ぶりに連れ合いが舞台に復帰する。結婚後も、劇団の制作には関わってきたが、舞台に上がることはなかったが、本人にとってもライフワークだといってもいい水上勉作の『釈迦内柩唄』の公演が始まったことも大きい。
http://karimon.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-f3c7.html
たまたま東京法座と公演が重なった。というわけで今回は昼座の代わりに、希望者が観劇することになった。東京支部の方だけでなく、東海支部や大阪、福岡からも集まってくださった。3日間の公演で、20数名も華光から観劇に参加してくださった。ありがとう。主演ではないのに、彼
女宛に大きなお花まで贈ってくださっていた。たいへん恐縮している。こちらも「ありかとうごさいました」
3週間前から、舞台稽古のために東京に入っていた連れ合いも、久しぶりの舞台にちょっと緊張気味の様子。ぼくも、皆さんにお声をかけてチケット販売をした手前、責任を感じていて、こちらも少し緊張していた。
会場は築地本願寺のブティストホール。200名も入ると一杯になる小さめの会場だ。これまで5~600名ほどの大ホールで公演を見てきたので、舞台もずいぶん狭く感じた。しかしその分、観客との距離は小さくて、とても迫力があった。後で分かち合いをしたときに、迫力があったこと、プロ役者さんが上手いこと、そしてテーマに感銘を受けたというのが、異口同音聞かれたことだ。しかも、早めに並んで整理券をもらったので、華光の皆さんは3番からのたいへん早い番号。おかげて前列3番目の中央という絶好の場所に、皆さんが座ることができた。
今回は、俳優座の協力で行われているので、連れ合いのお相手は加藤頼氏。公演前には、加藤剛氏も観劇されたとのことだが、若い時の剛氏を彷彿とさせる、いい男である。連れ合いは、若い男前の旦那だと喜んでいた。主演の有馬さんも半分以上は一人芝居なのだか、ここまで魅せるのはさすがにブロである。
お二人に比べると連れ合いの演技は、グッと抑えた気味だったのが好印象だ。家族にはやさしい笑顔の素敵な、控えめな母親役なのだが、あるところで、毅然とした態度で死体焼き場で対峙するシーンは、前の米斉加年氏の演出よりもずっとよかった。短いシーだが、彼女の演技と生のチェロ演奏で迫ってくるのもがあった。
感動を受けたとか、人間の悲しい業を感じたとか、昨年の北海道聞法旅行で学んだ朝鮮半島からの強制労働者の遺骨収拾のテーマと被ったとか、いろいろとあって、中には「法話の方が感激します」という方まであったが、まあそれは致し方ないことだ。概ね、皆さんから高評価をいただいて、ほっとしたというのが、正直なところ。
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