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広島支部法座~法友のご往生~

 1月に廿日市市で広島支部法座があった。その時、会場の近くに住んでいる同人のTさんもお参りされていた。腰が痛いということだったが、普段どおり、元気に発言されていた。法座が終わり会場の出入り口で、一言声をかけ、「また来月お会いしましょうね」と、笑顔でお別れした。

 それから2週間後のことだ。

 「Tさんが亡くなりました」との突然の訃報。

  「エッ!」と驚いた。まだ60代の後半だ。先日も、60代の同人の訃報が届いたばかりだ。その方は闘病中で、お見舞いにも伺っていた。

 でもTさんはお元気だった。何でも急に倒れられてから2、3日ほどでの急死だったようすだ。 

 浄土真宗では、阿弥陀さまの本願力のお力で、そして他力の信心を獲得したならば、必ず浄土往生の身とならせていただくのである。だから冥福など祈る必要はない。

 それでも、凡夫の情としては、仲間との別れは寂しく、悲しいものである。ましてや突然の死には驚かされる。

 Tさんは、この広島支部の一員であり、共に聴聞した御同朋・御同行である。以前は,法座の会場の確保にご苦労くださってもいた。今は会計係をしてくださっている。

 法話の冒頭、亡くなったTさんを偲び、そのご尽力のおかげを知って、皆さんと共に大きな声でお念仏を申させていただいた。還相回向のお働きで、また私達の法座にも影向してくださっていることだろう。

 「また次回」などと、明日をも知らぬ命とは思わず、うかうか聞法している私。「また聞ける」「次の法座は」などと寝ぼけている私に、身をもって無常の現実を知らせてくださったのにほかならない。

  「散る桜、残る桜も、散る桜」  南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

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