『観無量寿経』始まります
昔(聖典講座が婦人講座と呼ばれいていた40年以上前)から、1月と8月は聖典講座はお休みだ。でも、今年は1月に聖典講座を開催した。報恩講前で、お世話役の方も初参加くださり、いつもとは違う顔ぶれが集まってくださった。
区切りよく今日から『観無量寿経』へ。おさらいの意味で浄土三部経の概観から入った。これが三度目なので、今回は『観経』を中心にした構成にして、最後に本山から発行されている『観経』王舎城の悲劇のDVDを見てもらった。
浄土真宗では、親鸞聖人の影響で、『観経』といえば序文の「王舎城の悲劇」を中心に味わっているが、正宗分の中心となる「定善・散善」は、十八願の他力念仏へ誘引するための方便、流通分の他力念仏の付属こそが真実であるという立場があって、どうも三部経の中でも、一番馴染みのない一段低いお経と理解されがちだ。さらに、善導様によって決定版が出されたことで、その見方が固定化されてしまっているという問題点もある。
そんなこともあってか、今回の質疑でも、どんな態度(姿勢)で、これから講義に臨めばよいか?とか、DVDを見ても韋提希夫人には共感できでずに、ただ眺めて終わってしまったが、どうすればよいのかというような声がでた。
それを聞きながら、別に無理に共感する必要もなければ、受験勉強ではないのだから、こう理解しなければならないという囚われは、むしろ邪魔になるかもしれない。しかも、皆さん、初めて読ませてもらうのだろうから、別に構えることなく、虚心坦懐、己を空しくして読ませてもらえばいいのである。そして、善導様や親鸞様のご指南を仰いでいけばいいのである。最初から、こう感じなければならないとか、こう思わなければならないというのは、あまりにも不自由だ。むしろ、初めて読む世界を、わくわくと楽しんだり、知らないことには、素直に「ヘエー」と驚いていけばいいのではないだろうか。
※次回は、2月4日(日)昼1時30分~5時
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