中村敦夫朗読劇『線量計が鳴る』~元・原発技師のモノローグ~
Rさんに校正を渡しぎりぎりまで仕事をして、急いで今出川の同志社大学に向かう。構内の寒梅館のホールで、中村敦夫の朗読劇を観る。
整理番号は300番だったが、中央の2列目にの空きがありラッキーだ。休憩を挟んで2時間近く、一人での朗読劇。それでも、飽きさせることなく聞かせるのは、やはりプロ。 啓蒙演劇というジャンルで、情感に訴えて感情を揺さぶるのではなく、問題を指摘し観客を覚醒させ、新しい視野を提供する」というものだ。フクシマを通して、日本の原発にまつわるさまざまな嘘やごまかし、詭弁、さらにチャルノブイリでいま起こっている現実も踏まえ
て、原発の本質を見極めて、ひとりひとりがわかこととして考えるきっかけになればという願いで始まっている。
オリジナルの朗読だけてなく、プロジェクターを使った講義風で、啓発的な内容で、触発をうけた。もし近くで公演があるようなら、ぜひ足をの運びください。
http://www.monjiro.org/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/
おまけですが、今回の朗読劇とは別だが、弁護士である河合弘之が撮った映画『日本と原発』(合わせて同じ著者の新書『原発訴訟が社会を変える』)だ。多岐にわたる原発問題の問題点が浮き彫りになってくるので、こちらも面白くて、お勧め。
最後に、まったく関係ないことだが、主演の中村敦夫氏についての余談をひとつ。
感想を会館の事務所で話ていたときの会話。。
T「中村敦夫といえば、「シトシトピッチャン、シトピッチン」ですね。
S「いや、それは子連れ狼でしょう。」
T「ああ、子連れ狼は、カツシンか」
S「いや、カツシンは座頭市でしょう。」
と、若いRちゃんには「?」の珍問答が続いていた。
ちなみに、子連れ狼は若山富三郎(もしくは萬屋錦之介)で、中村敦夫は木枯らし紋次郎である。でもしかーしである。ぼくにとっては、「水滸伝」の林冲(りんちゅう)なのである。日テレが総力を結集した放映記念の大活劇で、中学時代のテレビ番組だった。ぼくが、いちばん影響を受けた番組かもしれない。おかげで、何十年たっても、いまだに水滸伝フリークである。その後、ほんもの水滸伝を読んで時、林冲が主役でないことに驚くことになり、北方水滸伝で、また衝撃をうけることになる。
まったく原発問題とは別次元の話でした。
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