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『阿弥陀経』(8)~諸仏の証誠・護念(1)~

  『阿弥陀経』正宗分(本論の第三段、証誠勧信【五】の五段目~【十三】に入った。
 正宗分は大きく三段に分かれる。第一段は、阿弥陀仏の極楽浄土と阿弥陀仏の荘厳について讃嘆。第二段は、その極楽浄土に生れる念仏往生についての教説。
 次いで第三段は、釈迦如来と諸仏による証誠勧信で、さらに四節に分科される。 まず一自証【五】では、釈迦如来が自ら広大な利益を自ら知見し、真実であるからこれを説くと宣言し、浄土を願えと勧められる。続いて、二他証【六~十一】は、六方段とも言われ、釈迦如来と同様に、六方に満ち満ちる諸仏方もすべて、阿弥陀仏を褒め讃え、護念・証誠することが説かる。そして、さらに三勧信【十二】と四讃嘆【十三】へと続く(ここは来月へ)。

 一、自証(釈迦如来の自証)【五】の五段目
「舎利弗、われこの利を見るがゆゑに、この言を説く。もし衆生ありて、この説を聞かんものは、まさに発願してかの国土に生るべし。」

◎「我見是利・故説此言(われこの利を見るがゆゑに、この言を説く)」
我とは釋尊、この利とはこれまで説き明かされてきた(浄土の麗しい有りさま、弥陀と聖衆のお徳、念仏往生)による素晴らしい利益、それを自らが知見し、他力念仏こそが真実であることを説く。短い一言ではあるが、「これ一つを説くために出生しただ」という、出世本懐の一代結経を顕す力強いお言葉である。

 二、他証(諸仏の証誠護念)【六】~【十一】
「舎利弗、われいま阿弥陀仏の不可思議の功徳を讃歎するがごとく、
東方にまた、阿●●仏・須弥相仏・大須弥仏・須弥光仏・妙音仏、
かくのごときらの恒河沙数の諸仏ましまして、おのおのその国おいて、広長の舌相を出し、あまねく三千大千世界に覆ひて、誠実の言を説きたまはく、〈なんぢら衆生、まさにこの不可思議の功徳を称讃したまふ一切諸仏に護念せらるる経を信ずべし〉と。」
 
◎釋尊自らの証誠に続いて、六方の諸仏方の証誠護念が説かれるので、別名、六方段とも言われる。
 冒頭で、釋尊がいま、阿弥陀仏の不可思議の功徳を讃嘆していることを述べて、
 同じく全宇宙に満ち満ちる無数の諸仏方も、同じように証誠護念されている様子が、同じ文言で繰り返し述べられる。阿弥陀仏に、釋尊や諸仏が呼応しておられる。

▼古来より、六方段と言われるが、六方も、十方も、共に同じく全宇宙を顕している。
六方=東方、南方、西方、北方、下方、上方。
異本の玄奘訳(『称讃浄土経』)では、十方と説く。十方=東方、南方、西方、北方、下方、上方、四維(東南・西南・西北・東北方)
親鸞様の弥陀経讃では、「十方微塵世界の」(82首)・「十方恒沙の諸仏は」(84首)と「十方」である。

▼恒河沙数の諸仏=ガンジス河の砂粒ほどの無数の諸仏方を表す。
『阿弥陀経』    =六方・三十八仏
玄奘訳『称讃浄土経』=十方・四十二仏
『サッスクリット本』=六方・四十仏    (続く)

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