国東半島の神や仏たち(7)~天念寺と川中不動~
長安寺から遠くない場所に天念寺と川中不動があった。川沿いの道を進むと、川の中に巨石が鎮座している。対岸には、岩壁に密着して、茅葺きのお堂と神社が見えている。ともにとても美しい風景。ここは無人で拝観
料は不要(お賽銭)。テープによる解説もある。駐車場も無料だ。
川中不動は、天念寺の前を流れる長岩屋川(天念寺川)にあるが、もともとは氾濫する川を鎮めるために建立されたという。中央
が不動明王で、両脇にコンカラ、セイタカ童子が刻まれている。不動明王は3.2mもあるという。童子のお顔がユーモラスであ
る。川沿いには曼珠沙華が咲いて、花添えている。
それより、今回いちばんすばらいしと思ったのが、天念寺である。別名「天念寺耶馬」と称されているが、奇岩を背に、本堂、
庫裏、そして六所権現社という神社を中に挟んで講堂が続く、神仏習合を示す建物である。残念ながら、本堂は工事中で、ブールシートに覆われていた
が(それでも拝観ができた)木造の釈迦如来が安置されている。川の氾濫で流れた旧国
宝堂をはさみ、六所権現社という神社が続く。社が裏手の奇岩に食い込みように立てられていた。
そしてそのとなりの茅葺きのお堂が講堂。薬師如来が安置されている。ここでは毎年旧暦の正月7日に、修正鬼会(しゅじょうおにえ)が厳修されるという。その時
に使用され松明が飾られていた。なんでも、鬼を追い出すのではなく、鬼を歓迎するという全国的には珍しいものだという。国
東の社寺は、六郷満山といわわれるが、これは「神と仏と鬼の郷」とも言われている。神仏だけではなく、「鬼」が入るところに、豊かさや重みを感じさせられる。建物の風格といい、寺と神社の神仏習の姿といい、たいへん感銘を受けたのであった。
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