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北海道聞法旅行(6)~白骨ならぬ黒骨~

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  朱鞠内湖では、レイクハウスに宿泊。ここでも殿平先生を囲んで、遅くまで懇親会をもった。
 朝食前に朱鞠内湖を散策。靜寂の中に、ただ鳥たちが歌い、静かにさざ波が押し寄せる。たまたまボート乗り場の方と立ち話をするうち、「いつでも遊覧船を出しますよ」とお話をいただいた。
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 急遽、予定変更し、遊覧船乗車することにした。船上の風が気持ちいい。見えている島々は、もともと山だったところが、水没せず頂きだけが残っている。人造湖でありながら、70年も経つと道立自然公園として、豊かな自然を育んでいる。
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 湖から雨竜ダムと慰霊碑を観る。船内の説明テープは、ダム建築の経緯、そして多くの犠牲者がでたことにも、きっちりと説明されていて驚いた。その後は、湖畔でのフィールドワーク。 
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 建設会社の造った慰霊塔。これは、犠牲者を偲ぶというよりも、むしろ会社の威信を高めるような巨大なものだ。
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 国家や政府ではなく、市民が協力しあって造られた記念碑をめぐる。
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 そしていよいよ発掘現場へ。少し山を入った共同墓地の裏手にある。途中の山道は、さまざまな鳥が鳴き、美しい花々が咲いている。エゾアジサイが美しい。
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 熊笹が覆い繁る発掘現場。ここから多くの白骨がでできた。
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Img_2147 先生から、ある高校生のエピソードが披露された。真っ黒な遺骨を発掘され、後ずさりする高校生に、遺骨を手できれいにするように指示する。誰も動かないなかで、率先してお骨を洗った女高生があった。その後の分かち合いの言葉を、先生は印象深く覚えておられた。Img_2145彼女は、身内が死んでも死体に触れるのは恐かった。もちろん、最初は、いやいや骨を洗っていたが、そのうち、見ず知らずのお骨がいとおしく感じられ、そこで過去といまとの出会いとなったというのだ。実は、その高校生が連れ合いだったというのである。先生とは同じ高校の演劇部の先輩・後輩という関係であって、高校生の時から何度か遺骨収拾作業に加わっていた。改めてお互いにご縁の深さに驚いた。
 白骨と書いたが、埋められた骨は真っ黒だという。
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 深川市一乗寺に参詣。短いものだか、ぼくも法話をさせていただいた。身で聞くこと、そして暗黒の歴史は、過去ではなく、いまも私の下にはいのちの犠牲の上に生きていること。それでいて、わたしは何も知らない、まさに無明である。そして、その無明破る、生死を超える道こそが浄土真宗であることなどをお伝えした。お寺の坊守さまや若住職もご聴聞くださって、有り難かった。
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唯一、聞法旅行らしかったかなー。

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