北海道聞法旅行(5)~笹の墓標~
美瑛を後に、旭川経由で深川の一乗寺で殿平先生と合流し、幌加内町に向かう。
深川から幌加内に入ると観光客はいない。しかし、ここにはは日本一のものが3つある。
一つは、車窓一面に広がるソバ畑。ソバの栽培面積、収穫量が日本一だ。7月下旬になると一面が白い花に覆われ、見事だという。が、残念ながら、ぼくはソバが食べらず、まったく興味はない。興味がないどころか恐いといっていい。そして、二つ目が、人造湖としては日本一の広さを誇る朱鞠内湖だ。そして三点目は、日本でもっとも極寒の地であることだ。
車中から殿平先生のお話をいただく。一気に観光モードから研修モードへ。
日本一の人造湖である朱鞠内湖はどうしてできたのか。戦時中、北大の演習林に北海道の電力不足を解消するために、当時東洋一といわれた雨竜ダムが建設されていく。大企業の利権も絡んだ一大事業のために多くのアジア人や
日本人がタコ部屋に捕らわれ、過酷な労働下で多く犠牲者を生み、十分な埋葬されることのないまま忘れ去れていたというのだ。これまでそのような強制労働は、捕虜やアジア人だけだと思っていたが、巧みに騙されたりはめられたは日本人も同じこと。今でいう貧困ビジネスの負のループにはまった日本人も多くいたことを初めてしった。大半が、まだ若い20代の若者だ。
まず資料館でもある湖畔の旧光顕寺へ。
緑豊かなすばらしい場所にある。しかし、冬になると極寒、かつ豪雪の地になる。ここは、いま「笹の墓標」記念館となっている。作家の森村誠一氏がこの地を訪ね、それがサスペンス小説になっている。一乗寺や殿平先生の活動などはフィクションで、半分が推理小説だが、これがとても面白い。
勤行の後、パネル提示を見学したり、1時間の記録映画を見せていただく。一昨年の遺骨返還のドキュメンタリー映画だ。知り合いの僧侶も映っておられた。若き日、友達と朱鞠内湖に釣りなどの遊びにこられた先生が、僧侶であることを知ったこの寺の檀家さんが、「誰のものかわからない位牌が、たくさん保管されているが、処分したい」と相談を受けたという。それらはダム建設の期間に集中し、しかもみな若い方や朝鮮半島の方の名前が多いことに不審を懐かれ、そこから調査が始まったというのである。
ぼくの下手な説明よりも、このテレビ番組をご覧いただければよく分かる。
こちらはドキュメンタリー映画の予告編。僕たちが見せてもらったのは最新作。
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