« 北海道の下見 | トップページ | 6月の華光誌輪読法座 »

ビバーラ実践と仏教カウンセリング~家族カウンセリングと縁起の法~

 佛教大学ビバーラ研究会が主催する、仏教カウンセリングの学習会が、通年で開かれていることを知った。講師は、奈倉道隆先生である。先月は、「仏教カウンセリング」を提唱された藤田清先生の相談仏教がテーマだったようだが、残念だ。
 
 今月は、家族カウンセリングと仏教の縁起観だ。といっても、座学(講義中心ではなく)、簡単な説明のあと、いきなりグループ分けがあって、ロールブレイが行われることになった。もちろん、参加したくない方は、やらなくてもいいということで、外れる方もあった。ぼくは、こんな時は、実践することに意義があると教えられてきたおかげで、積極的に関わることにした。

 末っ子が、仲間に唆されて万引きをして、家族会議を開かれるという設定で、同じテーマ、同じ役割で、4グループがそれぞれ10分程度のロールを行い、5分ほど分かち合うというものだ。

 面白いのは、同じような展開には、一つとしてならなかったということである。また、ファシリーの力量もさまざまだったように思うが、「誰か犯人か」を探すのでも、単純因果で原因を探るのでもなく、あくまでも家族全員の問題であることだ。家族は、それぞれが因縁によって結ばれているのであって、単純に問題行動を行ったものを責めておしまいではなく、ひとりひとりも問題を引き受けて、積極的に解決に向かうとする方向で進めることがポイントだ。

 ぼくは、仕事一筋で、家族にと無関心の父親役で参加。そのあとで、訪問してきた僧侶(フアシリテーター)役でも加わらせてもらった。気持ちの流れに沿いながら話しを聞いて、簡単なレスをするが、発言者は、とうしてもぼくの方を見て話されることが多い。それだけなら一対一になるので、少しずつ場にまかせていくと、いつのまにか家族同士での対話が生れ、4名で解決に向けた、前向きな方向に進んでいった。短い間でのロールプレイ(役割演技)でも、それぞれの抱えている問題が現れるが面白かった。ただ、そのことに、本人がどれだけ気付けるかで、ずいぶん意味が違ったようだが、さすがにそこまでは望めない。

 参加者の多くは、目の前でおこった事柄に反応するか、または仮定の話(こんな時はどうなるのか)の質問や感想が中心で、なかなか問題の根、本質に目をつける人は少ないように思えた。それでも、どんなコメントに対しても、ポジティブに受けられる奈倉先生の対応は見事だった。

 積極的に関わったり、遠慮せずに発言する場を提供くださったからこそ、十分に学ばせていただけました。ご縁があれば、続けて受講したい。

|

« 北海道の下見 | トップページ | 6月の華光誌輪読法座 »

カウンセリング・DPA」カテゴリの記事