隠れた桜(2)~仏光寺を観ながら
仏光寺は、門の側にある染井吉野と、御堂の横に2本のしだれ桜がある。いつもは静かなお寺も、今日は華やかだ。境内には、洒落たカフェ、芸術系大学のグッズのショップが出来ていて、お客が増えていた。
ところで、京都は、桜の季節、遠近各地から観光客が押し寄せて、宿を取るのもたいへんである。例年なら、三月末には咲きだし、四月上旬に満開を迎える。
ところが、今年の開花は1週間以上は遅かった。開花後も気温が低く長持ちして、4月中旬まで楽しめた。
が、例年を見越し、3月末に食事の予約をされた方はがっかりだった。しかしそこも自然のなせる技で、人間が関知できないところに値打ちがある。ところが、桜が咲いていないことを怒るSNSや、桜を売りする料理屋へ苦情が多数あったという記事を読んだ。
残念だと愚痴がでるのが普通だろう。しかし怒りをぶつけるとなると責任転換も甚だしい。サーピス過剰の世の中で、金さえ払えば何でも叶うという風潮が恐ろしくもあるし、思い通りにならないと拗ねる幼児のようではないか。
残念に思う心情はそのとおりだが、叶わないことがあるからこそ、次ぎの楽しみや喜びも大きくなるというものだ。自然への畏怖の心を忘れ、ますます傲慢になる前に、ちょっと考え直さないとと思われた。
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