熱意と根気
真宗カウンセリング研究会の二月の月例会。
今年は、『育ち合う人間関係』第1章「カウンセリングの手引き」を読んでいる。ロジャーズのカウンセリングの概説が終わって、真宗者に直接つながる話題になっている。「真宗者はカウンセリングをどのように実践するか」の章である。
今月は、「相談室を開設しよう」。カウンセリングを学んだ方は、それを留めないで、実践してください。そのためには、積極的にお寺の中に相談室(場所)を作り、カウンセリング実践を行ってくださいという、先生の熱い伝わる一節だ。
その中、門徒や地域の方に開かれた相談室にするために、粘りづくり、熱心に、積極的なお誘いやPRをすることを勧めておられる。
「PRは、かなり長い期間、あいだを空けずに繰り返し繰り返し行わねばなりません。専門のカウンセラーをおいてPRしても、はじめ半年間はたった二人しか来談しなかったという会社の話も聞いています。短気をおこさず、愛情と誠意をもってねばりづよく、相談室の場所、趣旨、利用方法などを普及徹底するように努力します。「強制はしませんが、あなたがご希望でしたら、わたしはこれこれの時間内は精一杯ご相談に応じますよ」という、こちらの気持ちを伝達することに、どれだけ積極的であっても積極的すぎることはありません。」
とある。お寺で、何か新しい企画や集まりを持つときでも同じだ。チラシを作り、電話やメールでお誘いをしても、なかなか効果がなかったり、断られたりすることが1、2度続くと、一時の熱情も薄れ、簡単に挫折してしまい、休業状態となって生滅するケースがよくある。
結局、伝え手に、どれだけの熱情があり、背景に深い想いがあるのかが問われてくる。どれだけ粘り強く、また根気よく、呼びかけられるのか。一見、地味な作業にこそ、伝道者の姿勢が問われるのかもしれない。
では、飽きやすく、短気なものを、背後からしっかり支えてくださるものは何か。
それこそが原動力なのである。
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