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2月の伝道研究会

 2月の伝道研究会は、「真宗の基礎」安心篇に入って、最後の得益論に入っている。
 安心の価値、ご安心の利益について。浄土真宗は、現当二世のご利益の教えである。つまり、現世(この世)で受ける御利益と、当来世(後生)で受ける御利益である。そのうち、現世利益として、十種の御利益を親鸞さまは説かれたが、すべて十番目の「入正定聚」の益に収まるのである。つまり、この世の中で、信心獲得と同時に、必ず仏となることに正しく定まった聚(なかま)入りをさせていただき、もう二度と退転することのない位である。
                      
 しかも、この位は、
(1)菩薩の十地のうち、初地(歓喜地)に至る意味とみるだけでなく、
(2)八地の無生法忍(喜・悟・信の三忍)の菩薩と同じ(「韋提と等しく三忍を獲」)とみられている。八地とは、七地におこる菩薩の死といっていい、七地沈空の難を超えた菩薩とみられるので、その意義は大きい。
(3)さらに一歩進めて 等覚の弥勒菩薩、すなわち次生には成仏するに決定している菩薩の最高位である等覚と、まったく同じ(一生補処=一生を過ごせば、すなわちこの命が終わったならば、次生には即に成仏する、如来に等しいさとりである等覚の位)にあるともいわれ、「便同弥勒」とまで踏み込んで仰っている。しかしながら、それは衆生の側の価値によるのではなく、どこまでも他力回向の信心の徳からでるものである。当然、「如来と等しい」とまで踏み込まれても、けっして、仏と同じとは仰っていない。仏果を得るのは、あくまで当来世のご利益であることは、十分に注意が必要だ。

▼『大経』=「次如弥勒」

▼親鸞聖人=「まことに知んぬ、弥勒大士は等覚の金剛心を窮むるがゆゑに、竜華三会の暁、まさに無上覚位を極むべし。念仏の衆生は横超の金剛心を窮むるがゆゑに、臨終一念の夕べ、大般涅槃を超証す。ゆゑに便同といふなり。しかのみならず金剛心を獲るものは、すなはち韋提と等しく、すなはち喜・悟・信の忍を獲得すべし。これすなはち往相回向の真心徹到するがゆゑに、不可思議の本誓によるがゆゑなり」『信巻』

▼同=「如来の誓願を信ずる心の定まるときと申すは、摂取不捨の利益にあづかるゆゑに不退の位に定まると御こころえ候ふべし。真実信心の定まると申すも、金剛信心の定まると申すも、摂取不捨のゆゑに申すなり。さればこそ、無上覚にいたるべき心のおこると申すなり。これを不退の位とも正定聚の位に入るとも申し、等正覚にいたるとも申すなり。このこころの定まるを、十方諸仏のよろこびて、諸仏の御こころにひとしとほめたまふなり。このゆゑに、まことの信心の人をば、諸仏とひとしと申すなり。また補処の弥勒とおなじとも申すなり」『御消息集』二十通

 主に講義的な話が中心だったが、最後は、皆さんがいろいろと味わわれたことをお聞かせに預かった

 なお次回は、「如来にひとし」から始まります。
 3月1日(水)ですが、 時間が変更になります。
 夜18時50分(勤行)スタートで、21時までと、少し早く終わります。同人会員限定ですが、どうぞ奮ってご参加ください。

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