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福岡での家庭法座

  福岡のY家家庭法座。

  初日は、事務所での法座。2日目はご自宅での法座である。年2度の家庭法座を初められて10年近くなるという。

 最近の支部法座の会所(えしょう)は、会館の会議室などが主流になったが、やはり家庭での法席は尊い。家人は、掃除や広間の片づけなどで準備もたいへんだ。以前、京都や大阪の支部法座は、すべて家庭法座であったが、いまそれぞれ1カ所ずつになったいる。Y家では、自宅で宿泊もさせていただく。

 家庭法座が尊いのは、日頃ご縁ない家族が法席に座ってくださることだ。Y家でも、3世代が揃って、お仏壇に向かい称名され、ご聴聞くださった。普通、法事や年忌でもない限り、こんなことはありえないことだ。特に、Yさんのお母さまが、初めて顔を出してくださったのがうれしい。ぼくも、つとめてかみ砕いて「後生の一大事」についてのご法話をさせていただいた。

 また今回は、Yさんが一座、ご法話を担当されたことが大きい。それに合わせてお友達などもお参りくださたのである。もちろん、義理参りの方もあろうし、何かいい話を聞きたいとか、心の落ち着くものを求めておられる方もしれない。

 その意味では、聞法のレールにのっていただくことは、並大抵ではない。しかし、間違いなくこの一歩がなければ、次ぎの一歩もありえない。お勧めの側もただ願うだけでなく、法座に座っていただくという行動につながったことが、尊いのである。事実、何度ものご縁で、お子さん方の態度も変化しているのが、座談会の発言を聞いていると分かる。

 あの手、この手の種々のお導きの背景には、大きな願いがある。

 そうだ。私たちの後ろ楯には、とてつもない大きな方がどーんとついてくださっている。勇気をもって、有縁の方をお誘いしていきたいものである。

 

 

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