佐川美術館~三蔵法師展~
先日、琵琶湖大橋にほど近い佐川美術館に出かけた。今年の3月にも初めて訪れたが、今秋は、特別展として「三蔵法師展~薬師寺の宝物と共に~」が開かれているのだ。
日本画の平山郁夫館、彫刻の佐藤忠良館、そして陶芸の楽吉左衛門館の3つを柱として、常設されている。特に平山郁夫画伯の作品は、仏教伝来や東西交流の道であるシルクロードをテーマにしたものであるが、その中でも、特別展に合わせて「玄奘三蔵~求道の軌跡」と題されていて、インドやシルクロード、中国などの三蔵法師が旅をされた各地が描かれると共に、三蔵法師が中国に持ち帰って唯識、法相宗として栄えた奈良の薬師寺などが題材になっていた。ぼくも訪問した場所が多くて懐かしくもあったし、量、質共に見応えがあった。
そして、三蔵法師展の方は、以前、龍谷大学ミュージアムで、「玄奘~迷いつづけた人生の旅路」(仮題は「玄奘三蔵と薬師寺」)で観覚えのあるものが多くて展示されていた。http://karimon.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-f48c.html
巡回展ではないので、まったく同じ企画ではないかったが、薬師寺の宝物が中心ということで、どうしても似たような企画になっていた。
でも改めて、三蔵法師玄奘さまのすごさを再認識させられた。17年間にわたり、30,000㎞以上を旅して、当時の国で130ヶ国に渡る国々を訪ねて、多く経典や仏像を将来した。しかもそれだけでなく、その後20年をかけて、1335巻もの経典翻訳に邁進し続けるのであるから、もう超人としかいいようがない御方である。その翻訳事業にもしても、翻訳は正確を究めているので、玄奘さまの以前と以後では、その名称も代わっていくる。その以前である鳩摩羅什三蔵さまなどは旧訳(くやく)と呼ばれ、玄奘さまからは、新訳(しんやく)といわれるほどである。こんな三蔵法師さまの命懸けの活躍のおかけで、仏法は東漸しますます盛んになっていくのである。
≪佐藤忠良氏の蝦夷鹿↑≫
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