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映画『聲の形』

 いま、話題のアニメ映画『君の名は。』は、ジブリでも、ディズニーでもないのに、異例の大ヒット中だ。

 しかしストーリーなら、映画『聲(こえ)の形』もお勧めだ。ぼくは、アニメ映画はあまり見ないが、下の子がコミックにはまり、ブラジルまで全巻を送ったので、映画も楽しみにしていた。

Koenokatachi 転校してきた難聴、耳に障がいがある少女と、いじめの問題という難しいテーマだ。しかも、いじめる側(加害)が、一転、いじめられる側(被害)になるという、小学生特有の微妙な関係がうまく描いている。そして、何よりも登場人物の大半が、自分が好きになれず、自信もない、極めて自己肯定感が低いことだ。当然、傷つくことをおそれて、なかなか本音で、他者と接することができない繊細さの持ち主たちばかり。それは、今の大人でも同じことだが、特に、子供から青年に移ろう思春期に顕著なのかもしれないが、そんな届かないような聲が、さまざまに、発せられる。

 ところで、ぼくの子どもたちが通っていた京都の小学校は、難聴の子も一緒に学ぶ学校だった。これは昔からことで、会館の書道教室にも難聴の子供が通っていたが、それだけの実績があった。アニメとの一番の違いは、同じ授業でも分かるように、手話ができる別の担任の先生が付いていたということだ。おかげで、子どもたちも手話を覚えたり、小さなうちから、さまざまな環境や障がいを持った子供たちと、同じ教室で学ぶ貴重な経験をさせてもらっている。ただ、能力や障がいの度合いによっては、いろいろと難しい問題もあろし、その賛否を一概にいえる問題ではない。ただ映画で描かれているような、学校側に何の配慮もなく、障がいをもった転校生が置いてきぼりをくうようでは、貧しい社会といわねばならない。

 そんなこんなで、けっこう聲なき聲が、胸に響く映画だった。

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