たいせつな時間
真宗カウンセリング研究会の月例会は、西光義敞先生の『育ち合う人間関係』の輪読している。 第一章の「カウンセリングの手引き」は、西光先生が40歳の時に書かれたのカウンセリングに関する最初の著作である。「カウンセリングを成功させる条件は何か」という章を読んでいる。中核条件をとても分かりやすく、丁寧に記述くださっていることを改めて感心させられた。
今月は、中核条件のうち「自己一致」と、「必要・十分条件の意味」という、もっもと核心的な部分だったこともあって、活発な話し合いになった。参加の皆さんが、カウンセリング経験が豊富で、しかも教育現場や福祉、相談室の現役カウンセラーもおられたので、自身の経験も交えながら、率直な表明が多くて、実に有意義な集いだった。
仏法でも、カウンセリングにも通じることだが、いくら知識があるということと、それがほんとうに身についているのということは、まったく別問題だ。臨床場面では尚更で、カウンセラーの態度として「自己一致、受容、共感」を覚えただけでは、何の役にも立たない。経験が大切なのである。かといって、理論の裏付けのない実践だけで進むのも危険だ。結局、自己満足で終わって(本人だけがイケている錯覚しているので厄介だ)、知らぬ間に研究会を去っていかれる。
本書にもあるが、研究(理論)→研修(体験学習)→実践(臨床)→研究…と循環してこそ、ほんとうの深まりと拡がりか生まれてくるのである。それはときとして地道な作業である。また学べば学ぶほど、結局至らなさを知らされるばかりである。学び、実践するの間に、時には苦い経験もあるが、同時に楽しさも教えられる素晴らしい経験もさせていただく。その意味では、ぽくにとってかけがえのないものになっている。
月1度とはいえ、月例会の学びの場もたいせつな時間だ。
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