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力なし

  「力なし」-週末の輪読法座で印象に残った言葉だ。
 仏法に向き合ったとき、我が後生はと踏み出したとき、ほんとうに、この私は「力なし」なのである。

  でも、力があるようにうぬぼれる。もしくは、力なしではダメだと頑張る。いや、実際は頑張ってなどいなくて、どう頑張ればよいのかと考え続けているということであろう。

 ほんうとは、「力なし」がお目当てと、そのまま聞かせてもらえば、開けてくる世界があるのだが、無い力を発揮しようというのだから、妙なものである。

 普段、大人しい方が積極的に動かれた縁で、大阪のご自宅へのご示談に窺った。
 長年、聞法されている方だが、最近、法座はご無沙汰気味。それが、からだが思うようにいかななくたことから、後生への心を馳せると、死んではいけない自分と出会われたのである。切羽筒まった様子だったので、すぐに日程を合わせたが、台風があり、また体調不良がありとで延期となり、こちらから出向いていくことになった。

 僕自身も「力なし」の言葉をしみじみと聞かされたご縁だった。

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