京都の親鸞聖人聖跡巡拝の旅(6)~ご修行の地・比叡山(西塔篇)
東塔をあとに、西塔に向う。徒歩なら東海自然歩道を歩いて、伝教大師霊廟である浄土院や、聖徳太子ゆかりの椿堂などの靜寂の中を巡って、30、40分くらいのハイキング コースでもある。今回はバスで、3分ほどであっと言う間に到着した。
まずは、にない堂。法華堂と常行堂の二つお堂が、渡り廊下でつながっている。これを暴れ者の弁慶が担ったというので「弁
慶のにない堂」とも言われている。もちろん、どれだけ弁慶が力持ちでも、伝説上の逸話である。しかし、そんな伝説が生まれるような雰囲気はある。法華堂では法華の、常行堂では念仏三昧の行が、つまり法
華と念仏が一体であるという比叡山の教えを顕すお堂なのである。
恵信尼公のお手紙によると、親鸞聖人は比叡山で堂僧をされていた。この地には、「親鸞聖人御修行の地」という碑が建っている。常行堂で常行三昧がなされているが、九十日間、行道(歩きながら)しながら、口に念仏を称え、心に阿弥陀仏を念じつづける行である。初日の法界寺でも、その説明があり、たった1周だけだが、阿弥陀様の回りを行道した。天台宗の修行である四種三昧の一つ
であるが、壮絶な行道である。 美しい苔の緑に、霧にかすむお堂が幻想的だ。
西塔のメーンである、釈迦堂へ。名前のとおり、お釈迦如来様がおまつりされている。信長の焼き討ちの後、秀吉によって再建されてという。
西塔をあとに、横川に向うが、途中、峰道レストランで昼食。ここは、眼下に琵琶湖が美しいところだが、濃霧で何も見えない。また、大きな伝教大師像も建っているだが、それすらまったく見えない。お昼を食べていると、本格的に雨が降りだしてきた。これまで、こんな天気だったのに、上出来に来ていたが、横川は雨の中になりそうだ。峰道を出発すると、すぐに「法然聖人が『観経疏』のご文で廻心されたという黒谷青龍寺への向う道が見える。もちろん、今回は、無理だ。以前、比叡山での聞法旅行でも、健脚組が訪れて、帰路に、土砂降りの雨にあったいわくつきのところだ。今度は、ぜひに。
≪霧に霞んだ西塔の常行堂≫
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