カンボジア紀行(2)タ・プラム寺院
「アンコール・トム」から「タ・プロム」寺院の遺跡に向かう。
タ・プロムの前に土産物屋で、椰子の実や、マンゴーを食べて、涼をとる。
林(ジャングル)の向こうに、寺院がみえてきた。12世紀後半に、王の母の菩提を弔うために建てられた寺院で、最盛期には、1万2千人以上の僧侶が住んでいた大寺院である。「タ」とは、おじいさんという意味で、少しかっこよくいうと、古老ということにな
る。ガイドのキムさんは、「ブロムおじいさんの寺院」という説明があったが、手許のガイドブックでは、「梵天の古老」という意味があるらしい。こちらのほうがしっくりくる。やはり日本
なら平安末期で、法然聖人の時代ということに
なる。
東塔門から入場したが、その現在の姿は驚異的であった。発見されたまま、倒壊もそのまま保存されているが、なにより、ガジュマルの木などの巨木が根を巡らせて、遺跡
を持ち上げている姿は、圧巻だ。第1回廊から、第2回廊に進むと、木の間に埋もれたままのデヴァ
ター像が、なんとも神秘的。
それにしても、自然の力、巨木の圧倒的な力には、驚かされ、その美しさに感心させられた。もちろん、創建当時は、こんな姿になることは想像もされていなかっただろう。しかし、この南国の地で忘れられたままの寺院は、長い年月をかけて崩壊し、ガジュマルの木々に覆われる姿に変わったのである。一つには、日本のように
地震が少ないこと、そして、建造物が木造ではなく、石などが主流であったことで、自然と人間の力が合わさった今日の形に生まれかわった。しかし、倒壊の危機にもあるが、木を取り除くことで、パランスが崩れて一気に倒壊する危険があるので、保存はなかな難し
いそうである。
中央祠堂の東側には、胸を叩くとエコーが響くお堂があった。この後、行く先ざきで、同じようなエコー堂があったが、不思議なことに、頭やお腹を叩いても、音は響かないのに、胸を叩くと、きれいにエコーするのは不思議。なんでも、叩くと胸の悩みが解消するらしいので、あっちこっちで胸を叩いておいた。
ここは、まだ木々に覆われているので、日陰があるので助かった。が、それ以外は、日差しは強くて、かなり歩いて、止まると汗が吹き出すということの繰り返し。
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