カンボジア紀行(4)バンテアイ・スレイからクバール・スピアン
3日目は、実にハードというか、盛り沢山の1日となった。
5時起きをして、アンコールワットを背景にした日の出を観た。
その後、少し足を延ばして、クメール美術の至宝といわれるバンテアイ・スレイへ。けっして大きな遺跡ではないが、もっともきれいな状態で保存さていた。しかも、赤い砂岩で作られているので、その他の遺跡よりも華やいでみえる。しかも、この遺跡は、アンコー
ルの至宝ともいうべき女神像。東洋のモナリザと称されるらしい。遠目からかもしれない
が、正直、うーん、こんな感じかという印象。それ
より建物全体を飾る細やかな細工や、ヒンズー教を題材とした浮彫り彫刻は、ほんとうにすばらしかった。
ただ、ここは日差しを遮るものなく、午前中とはいえ暑くて、少々疲れた。
が、ここまではいわば基本的な定番コース。もう少し深く触れるために、さらに郊外遺跡に足を延ばした。
郊外のクバール・スピアンの遺跡へ。山登りがあるとは聞いていた。出発点に、1500m先の矢印看板がある。距離はもっともっとある。しっかも岩だらけだったり、木の根がはっていたり、急坂だったりで、足元か悪い。途中、階段が整備されていることもあったが、それは一部。もっも
と、ぼくとしては、ある程度想定内であったが、年輩の方もおられるので、その方々の足どりがかなり心配だった。遅れる人が出てくる。フラツイてこける人もでる。第一、猛暑日の日中に、こんな山登りすることは、普段はない。なんとか、ゴールまでたどりついた。川中の岩肌に、ヒンズーの神様が彫刻されて
いる。大きなものを想像してたいが、案外こじ
んまりしていた。かなりハードに歩いたが、眺望が開けるわけでもなく、巨大な彫刻におどろくわけでもなく、また川沿いの山を歩きながら、それぞれの石像の彫刻や、リンガなど見て回ったので、歩いたわりに、ゴールした達成感に乏しかった。でも、ここまでくると観光客の喧噪からは逃れた。ときどき出会う人は、ほとんどが白人だった。まだここでは、中
国人も日本の団体客も少ない。
そして、このあとはくだりである。実は、こちらの方が心配になる。滑りやすい場所も多く、急坂のくだりは危ない。転んだり、滑ったりして、みんなに迷惑をかけないかと、結局、健脚組と、後組の二班に分けて、連れ合いは義父を心配していた。おりることにしたが、これが正解。後で、ガイドブックを確かめると、健脚の向きとあった。でも、間違いなく、今回の旅の忘れられない思い出になった。みんなで助け合ったのもよかった。
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