カンボジア紀行(3)アンコール・ワット
午前中、「アンコール・トム」から「タ・プロム」と回り、遅めの昼食の後、ホテルに戻ってリフレッシュし、日差しがおさまった夕方、「アンコール・ワット」遺跡に向かう。
巨大な堀が巡らされ、長い城壁に囲まれた、まるでお城のような佇まい。西参道から西塔門の長い参道を歩き、左右に経蔵を観ながら、第一回廊の西門に到着した。十字回路をとると、もともとはヒンドゥー教寺院であった
が、後に仏教寺院ともなったので、ビ
シュヌ神などの神々と、ブッタが混在しながら祀られていた。ポルポルト時代に、破壊されたブッタ像が痛々しい。そして、第二回廊を抜けて、聖なる第三回路に登るために長蛇の列に並ぶ。多数の外国人観光客で賑わっている。中国
人や韓国人の団体客が、横からどんどん入ってきて、先を越されてしまった。彼らのマナーの悪さには、あっちこっちで遭遇し
た。ここは入場制限があるので、最
終時間には間に合わず、並び損となって、最終日にレベンジすることになった。
最後は、第1回廊の壁面を飾るレリーフを丹念な説明と共に、観てまわった。アムリタ(甘露)を巡る天上界(神)と阿修羅の戦い、天地創造神話でもある神と阿修羅の綱引き、乳
海攪拌などは、物語としても面白かっ
た。そのなかでも、地獄の描写や、閻魔王の審判を待つ姿などはなかなか迫力がある。日頃の往生要集の地獄の話とも類似する点も多く、つながりを感じられた。
回廊を出ると、遺跡は夕陽に照らされていた。ちょうど、西の空に夕陽が沈むところである。
翌朝は、5時起きをして、日の出を眺めた。残念ながら、アンコールワットを背にした朝焼けとはいかなかったが、朝日が美しかった。
そして、最終日の午前中に入れなかった第三回廊に向かう。オフ時間である午前中でも、長蛇の列だ。須弥山
を模した巨大な中央祠堂を四つの祠堂が取り囲んでいる。今度は、リベンジに成功。急な階段を上ると、思った以上に広い回廊には、立像と涅槃のブッタの像が四カ所におまつりされている。9分9厘観光客だが、丁寧にブッタの前で
五体投地で礼拝される巡礼者もあったのに、感銘を受けた。
個人的には、入場を待つ間、Cさんは信仰の相談ができたのが、有り難かった。今回の旅行は、仏教遺跡の巡拝とはいえ、勤行も法話もなかったので、まるまる観光気分だったが、この時だけは、カンボジアの日差しのもと、こんな場所で真剣な話題がでたことが、なんとも不思議な気分だった。
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