平成知新館
姉から、関西版の「ミュージアムぐるっとパス」をもらった。関西の美術館などに割引や無料入場ができるパス。期限が3月31日までに迫っているので、母を連れて「国立京都博物館」常設展に行く。一昨年に新しくなってから、平成知新館は3回目になる。が、ふたりは初めてで、その規模や体系だっ
た展示に、ずいぶん驚いたい。特に1階の第1展示室の仏像は、その大きさに圧倒される。今回は、今、法話のネタに使っている冥界(中有)界の姿-閻魔王を中心として十王像と、奪衣婆と亡者、さらに閻魔様の本地である地蔵菩薩が展示されていて、あまりにもタイムリーだった。そのなかでも、いちばん心を引かれたのは、京都二尊院の、「釈迦如来像」と「阿弥陀如来像」。二河譬の招喚と発遣の二尊像であるが、その上品で、やさ
しいまなざしに感心させられた。
いくつか特別展示があったが、ひとつが「刀」がとありあげられていた。国宝や重文の宝並んでいて、けっこうな人だかりができていたが、どうもその良さは理解できなかった。でも、坂本龍馬愛用だとか、信長の桶狭間合戦の戦勝品だといった歴史的な名剣と聞くと、少し心は動いた。
もうひとつは「狛犬と獅子」像が集めれていた。日ごろ神社でお馴染みの狛犬と獅子の像だが、それほど心して観たことはない。でも、京都や滋賀などの有名寺院や神社の重文の獅子たちであって、それぞれが意匠や素材なども個性があって、実におもしろかった。もともと中国や日本では、想像上の動物だったライオンを模したものでるあるが、左のあって、頭上に1本の角があり、吽と口を閉じているのが「狛犬」。右にあって、阿と口を開いているのが獅子だそうだ。http://www.kyohaku.go.jp/jp/theme/floor1_5/shishi_2016.html
そして今回は、特集陳列として「皇室ゆかりの名宝」として、天皇の肖像や書(宸翰)、宮中の装束、門跡寺院の所蔵の仏画、蒔絵の調度品など、国宝や重文の名品が体系的に並べられていたが、狩野元信による、京都、妙心寺塔頭の霊雲院の障壁画が、気品高く、雅びで、ときに静寂な姿の画が、圧巻だった。http://www.kyohaku.go.jp/jp/project/2016_koshitsu.html
結局、休みなく2時間半も歩いてかなり疲れてきたので、最後は、かなり駆け足になったが、平常展なのに、来るたびに特別陳列があるので、目新しく見応えがあって満足した。
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