広島城と縮景園
午前中、廿日市でのご法座までに時間があったので、広島城へ行くことにした。
ぼくは、これまで何百回も広島に来ている。もちろん観光のためではないが、それでも、原爆ドームや宮島などには何度も入ったし、すぐ近くのひろしま美術館に連れてきてもらったことはあるが、広島城は素通りだった。
爆心地にも近く、原爆で倒壊しているので、戦後の復興だ。未曽有の被害の中から、これだけのものが復興したことを考えると、やはり感慨深いものもあ
る。
そして、お城の中を歩いて勉強になったことは、ここ広島が軍都であったことだ。大本が置かれたこともあったという。
また少し時間があったので、10分ほど歩いて、縮景園へ。広島藩主の浅野家の別邸の庭である。
庭を散策するには、いい季節ではないが、日差しがあって、暖かだった。借景にビルは、興ざめだけれど、裏返せば、都会の中にあるオアシスである。
でも、ここも原爆で壊滅的な被害を受けている。そして多数の被災者が押し寄せて、多くの尊い命がここで尽き、埋葬されたという
案内板が、ひっそりと立っていた。
広島城の天守閣から眺める広島市内は、高層ビルが建ち並ぶ都会だった。71年前、ここに原子爆弾が落ちたとは想像もつかない。しかし、それは表層だけのことで、少し内を眺めてみるのなら、悲惨な爪痕は、この街のあちらこちらに点在していることもよくわかった。
ちょうど金曜日に山田洋次監督の『母と暮らせば』をみてきたばかり。広島ではなく長崎が舞台だが、原爆投下の経緯や、閃光の描写は、鳥肌ものだ。
ただ、黒木和雄監督の広島が舞台の『父と暮らせば』に軍配を上げるかなー。黒木監督には、長崎が舞台に、原爆投下までの24時間の家族の日常が描かれた『TOMORROW 明日』もいい映画だし、戦争レクイエム三部作は名作揃い。
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