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東京講習会(1)

東京講習会も第5回目。
「正信偈」の最終回で、源信讃~源空讃~結びの部分だ。

これが5回目だが、ぼくには、これまでとは少し違う思い入れがあった。
第1回の東京講習会は、父と二人で担当した。そのころから、一人では遠方の宿泊法座が難しくなっており、母も付き添った。2日間を一人で講義するのも難しかったので、ぼくと二人で担当を交互に行ったのだ。そして、もうひとつ思い出すのは、いまは亡きSさん(一人さん)が、ぼくたち3人を東京駅まで見送ってくだり、4人で駅でお茶を飲で別れたことだ。人一倍、気が利く彼は、ぼくたちに気をつかわさないように、「支部からです」と駅弁まで買ってくださった。ご自分で負担されていたのは分かっていたが、喜んで頂いた。その時が、父が東京支部にお邪魔した最後となった。

その父を偲んで、冒頭、東京支部としての追悼の勤行をし、講義に入る前に、父の思い出をご法話させていただいた。

ただ、追悼法要あるので、申込みのない東京支部の皆さんに電話やメールをしてお誘いをしてみた。それでご参加くださった方もあるので、中には、「講習会、勉強はいいです」と無下に断るベテランの方もあって、正直、がっかりもしたが、でも、お出会いの長短ではなく、お出でくださった方のご縁を喜ばせていただいた。

親鸞様が、『教行信証』をだいたい書かれたのは、推測で、53歳ころだと言われている。もしかすると『正信偈』はもう少し早い時期に書かれていたかもしれない。
そして、講習会のテキストとして、父が50~52歳ころに講話した「正信偈講讃」を使っている。
そのぼくも53歳になった。先達の偉大さが改めて身に沁みるばかりだ。

 しかも、今回は、源信様から、源空(法然)様のところである。法然様と親鸞様の関係を、伊藤先生と悟朗先生の関係に絡めながら、我が身に届いてきた真実の偉大さも味わわずにはおられなかったのだ。

 それで、本文とは直接は関係ないが、父のことにもずいぶんされたような気がした。

 同時に、いつも正信偈の講話をするとる時には、必ず押さえるのが、全体の構想から、味わうことも多かった。少し長くなるので、続きで。

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