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9月の聖典講座~浄土の聖衆の果報~

 今月は、国土の荘厳を述べ終わり、浄土の聖衆が受ける果報についてである。まず略説し【十七】、次いで譬えをもって説かれ【十八】【十九】、その聖衆が身を置く環境(依報)の徳が述べられる【二十】。
 その要点は、次の浄土和讃から窺うことが出来る。『浄土和讃』27・22・23首

【27】〈依報を総讃〉
  安楽仏土の依正は   法蔵願力のなせるなり
  天上天下にたぐひなし 大心力を帰命せよ

【22】〈五乗斉入〉
  安楽声聞・菩薩衆   人・天・智慧ほがらかに
  身相荘厳みなおなじ  他方に順じて名をつらぬ

【23】〈平等の一果〉
  顔容端正たぐひなし  精微妙躯・非人天  
  虚無之身・無極体   平等力を帰命せよ

 そして、最後に、華光出仏【二一】で、上巻が結ばれていくのである。

 釈尊の出世本懐は、弥陀の本願を説かんがためであるが、釈尊だけでなく、三世十方の諸仏も、それはおなじである。そして、釈尊始め三世十方の諸仏方は、この華光から出現された仏ということになるのだ。つまり、阿弥陀仏の大慈悲は、凝って西方極楽の建設となり、散っては三世十方に諸仏として顕れて、衆生を引導されると窺えるのである。

 さらに身近に感じると、私達の華光会の活動も、この華光出仏から起る働きだといっていいのだ。

 伊藤康善先生は、『仏敵』の中で、およし様と、そのお徳を慕う野口道場の同行の姿を、

「『大無量寿経』の上巻には、一々の華の中よりは、三十六百千億の光明を放ち、一々の光の中よりは、三十六百千億の仏身を出す、とありますが、ほんとうに一信者の心蓮華からは無量の光明が放たれていますね」(『仏敵』48頁)

と讃えておられる。

 また、親鸞様は、浄土和讃で次のように讃えておられる。

【42】〈華光の遍照〉
  一々のはなのなかよりは 三十六百千億の   
  光明てらしてほがらかに いたらぬところはさらになし
【43】〈華光出仏〉
  一々のはなのなかよりは  三十六百千億の   
  仏身もひかりもひとしくて 相好金山のごとくなり
【44】〈諸仏の教化〉
  相好ごとに百千の   ひかりを十方にはなちてぞ
  つねに妙法ときひろめ 衆生を仏道にいらしむる

以上で、「如来浄土の因果」が説かれた上巻が終わり、「衆生往生の因果」、さらに「釈尊の勧戒」が説かれる下巻へとうつっていくのである。

10月4日(日)1時30分は、十一・十七・十八願成就文を窺っていく。

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